ウクライナ・東部の駅 ミサイル無差別攻撃で52人死亡を米政府非難
ウクライナ東部の駅で、160人以上が死傷したミサイル攻撃について、アメリカ政府は「さらなる残虐行為だ」とロシアを非難しました。
攻撃を受けたのはウクライナ東部ドネツク州のクラマトルシクの駅で、州政府によりますと避難するため駅にいた子供5人を含む52人が死亡、109人がけがをしました。
アメリカ・ホワイトハウス サキ報道官
「ロシアによるさらなる恐ろしい残虐行為だ。安全な場所に避難しようとしている民間人を攻撃している」
アメリカ・ホワイトハウスのサキ報道官は8日、ロシアを非難、「説明責任を負わせる」と強調しました。
米国防総省 カービー報道官
「我々の分析では、これはロシアによる攻撃で短距離弾道ミサイルを使用したものだ」
また、国防総省は「ロシアによるミサイル攻撃」と分析。「軍の残虐性や市民の被害を考えない姿勢をまたも示したものだ」と指摘しています。一方、国防総省の高官はロシア軍の現在の戦闘能力は侵攻を開始した時の80%から85%程度だとの分析を明らかにしました。
首都キーウ周辺などから撤退したロシア軍部隊の一部が、東部のドンバス地域に近いロシア国内の町に移動する動きを確認したとしています。キーウ周辺ではロシア軍に占領されていた街の凄惨な状況が次々と明らかになっていて、8日にも州西部のマカリウで市民132人の遺体が発見されたと現地の町長が発表しています。
EU フォンデアライエン委員長
「(ロシア軍の)占領している街に対する無責任で冷酷な面を目の当たりにした」
こうしたなか、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は多くの市民の遺体が見つかったブチャを視察し、改めて防衛のための武器を提供する考えを示しました。
またゼレンスキー大統領と会談しウクライナに対して5億ユーロ、日本円でおよそ675億円の追加支援を約束したということです。
ロシア ペスコフ大統領報道官
「我々の部隊には甚大な損失が出ていて大きな悲劇だ」
一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は7日イギリスのテレビ局のインタビューに対してこのように述べ、ロシア軍が大きな痛手を受けていることを認めました。
ペスコフ氏はロシアのウクライナへの侵攻を「特別軍事作戦」と改めて強調したうえで、「作戦が近い将来、目的を達成するか、あるいは政府代表間の交渉によって終結することを我々は望んでいる」と述べています。
(09日16:13)
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