キーウ近郊に市民の遺体多数 大統領「大量虐殺」とロシアを非難 国際社会にも衝撃
ウクライナの首都キーウ近郊で、ロシア軍に殺害されたとみられる多数の市民の遺体が見つかったことで国際社会に衝撃が広がっています。ゼレンスキー大統領は「大量虐殺だ」と非難、欧米などからはロシアに対する制裁強化の声が強まっています。
ロシア軍が撤退した首都キーウ近郊の街では、ロシア軍に殺害されたとみられる多数の市民の遺体が見つかりました。ウクライナの検事総長はキーウ州で、410人の市民の遺体が確認されたと明らかにしています。
ゼレンスキー大統領は3日、アメリカ・CBSテレビの番組で「後ろ手に縛られて殺害されたり、拷問を受けたりした人もいた」と指摘し、非難しました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「これは大量虐殺だ」
またロシアとの交渉について、まずは、ロシア軍が少なくとも今回の侵攻を始めた2月24日より前の国境にまで完全撤退する必要があると強調しました。国際社会からの非難も相次いでいます。
国連のグテーレス事務総長は、「ブチャで殺害された市民の様子に深い衝撃を受けている。独立した調査によって、説明責任がなされることが不可欠だ」との声明を発表。
アメリカのブリンケン国務長官は、「ウクライナに対するロシアの残虐行為が続く限り、これが毎日起きる現実だ」とした上で「だからこそ侵攻を終わらせる必要がある」と強調しました。
ドイツ ショルツ首相
「被害者には子どもや高齢者・女性たちがいると言います。市民を殺すことは、戦争犯罪です」
ドイツのショルツ首相は、ここ数日で更なるロシア制裁を決めることになるとも話し、フランスのマクロン大統領は「ロシア当局は罪の報いを受けなければならないだろう」としています。
一方、ロシア国防省は「ロシア軍の管理下では地元住民は誰一人暴力行為を受けなかった」としたうえでウクライナが公開した画像や映像は「西側メディアのために制作した作品」だとして関与を否定しています。
（04日11:22）
