親ロシア派“マリウポリ掌握”を宣言・・・ウクライナ「東部戦線」で異変【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年4月1日)

親ロシア派“マリウポリ掌握”を宣言・・・ウクライナ「東部戦線」で異変【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年4月1日)

親ロシア派“マリウポリ掌握”を宣言・・・ウクライナ「東部戦線」で異変【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年4月1日)

 親ロシア派組織のドネツク人民共和国のトップが、激戦が続く南東部マリウポリの掌握を宣言したと、ロシアメディアが報じました。地方行政府を創設すると発表がありました。

■新ロシア派“マリウポリ掌握”宣言

 日本時間の先月31日、大勢の記者を集め、会見が開かれた。

 ドネツク人民共和国・プシーリン首長:「マリウポリの人はなぜか、『マリウポリが復興されるかどうか』について質問をします。もちろん、復興させます」

 会見した人物は、ロシアが独立を承認したドネツク人民共和国のプシーリン首長。マリウポリの“掌握”を宣言した親ロシア派だ。

 ドネツク人民共和国の公式ニュースサイトは、プシーリン首長がサインした命令文書も公開している。

 ロシアによる侵攻開始から5週間。ウクライナ東部戦線で、新たな動きが起こった。

■“激戦地”赤十字施設も砲撃

 マリウポリで負傷し、病院に搬送された3歳の男の子。傷の痛みと恐怖からか、病院のベッドで父親を呼び続けていた。

 男の子:「パパは来てるの?パパ・・・」

 ウクライナ東部で、攻勢を強めるロシア軍。街の9割が破壊されたマリウポリでは、赤十字のマークが付いた建物にも、砲弾による複数の穴がある。

 国際赤十字委員会によれば、被害を受けたのは、病院に送る医療物資や、今もシェルターに避難している、およそ10万人の市民のための救援物資を保管していた倉庫だという。

 マリウポリ市民:「シャワーを浴びる場所もなく、どこから流れて来たのか、どんなバクテリアがいるのか、分からない水を飲んでいます。しかも、その水を得るには、遠くまで歩かなければなりません」

■“非人道”白リン弾使用か

 ドネツク地方軍政局のキリレンコ局長は、近郊の3つの街で、ロシア軍が“非人道兵器”と呼ばれる白リン弾を使ったと発表した。

 ドネツク地方軍政局・キリレンコ局長:「敵は再び、白リン弾を使用した。4人の子どもを含む11人の市民が、病院に搬送された」

■ハルキウで「ミサイル48発」

 ウクライナ第2の都市・ハルキウ(ハリコフ)でも、ロシア軍による激しい砲撃が続いている。

 ハルキウ州・シネグボフ知事:「きのうの夜は、ハルキウとその周辺で、48発のミサイルを落とされました。デルガチという町では、ものすごい数のミサイルが撃ち込まれて、建物がたくさん破壊され、1人が亡くなり、3人がけがをしました」

 ハルキウの地下鉄の駅では、今も多くの子どもたちが、避難生活を送っている。

 子どもたち:「2回爆弾が爆発する音を聞いたよ」「すごく大きな音だった」「夜中はパニック状態で走り回ってて、何が起きているのか分からないので、怖い」

■キーウ近郊“奪還”も・・・

 ウクライナ軍が奪還したチェルニヒウ近郊の村で、炎を上げるロシア軍の戦車。そばでは、ウクライナ兵が警戒に当たる。

■街破壊で生活困難

 ロシアが軍事作戦の縮小を表明したチェルニヒウや、首都キーウ周辺で、ウクライナ軍は、次々と村を奪還している。

 イルピン市長:「この場所が受けた被害を見てみましょう。すべてを見せます」

 キーウの北西およそ20キロに位置するイルピンも、ロシア軍から奪還した街の一つ。破壊された街の様子を市長が撮影した。

 イルピン市長:「レストランの半分は、完全に燃えてしまいました。大きなコンサートホールも壊れています。高層マンションも完全に破壊されて、生活はできません」

■キーウ在住の日本人 実態は・・・ 

 しかし、キーウでは、いまだ攻撃の手は緩んでいないという。

 ウクライナ・キーウ在住 高垣典哉さん:「3月31日、8時55分。先ほど、つい5分くらい前ですね。爆撃音が、ミサイル音がドーンっていうのがね。早く(ロシアに)帰ってほしい。それだけです」

 キーウに滞在する高垣さん。先月31日も、砲撃音を5回以上聞いたという。

 高垣さん:「29日は、割と本当に、おとなしくなっていたんですよ。それでもまた、夜から再開された感じがしまして。がっかりしているような状況です」

 街の様子については、こう話す。

 高垣さん:「車も一時期に比べたら、かなり走っていますよ。爆撃はきのうから激しく、また続いているんですけれど、活気は少しずつ戻りつつあります。カフェとかレストランは、まだ開いていないんですけれど」

 侵攻後、高垣さんは食料の配布など、ボランティアに参加している。

 高垣さん:「朝はボランティアで、お弁当を配るってのを。街の中心に行って配る人、あと軍事施設に配る人」

 地下鉄の駅にも向かい、構内で避難を続ける人に食料を届けに行っている。

 高垣さん:「ここ1カ月ほど、まともなものを食べられないという状況ですからね。一日一食は確保できるということで、とても喜んでもらっています。停戦交渉が上手くいって、本当にロシアが約束を守ってもらって。今までのウクライナ、平和なウクライナの日々を戻してもらいたい」

■首都キーウ やまぬ砲撃

 戦場の最前線で取材を続けている、カメラマンのヤン・ドブロノソフさんも、先月31日まで、3日間キーウで過ごした。

 ヤンさん:「地下鉄の入り口は土のうで塞がれています。避難所として使われているので、砲撃から守るためです。

 破壊されるのを防ぐため、議会の前など様々な場所に設置されている。

 ヤンさん:「交渉の後に、ロシア軍がキーウから撤退したというニュースがありましたが、実は誰も撤退していない。戦闘は今も続いています。色々約束したのに、現実は大きくかけ離れています」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年4月1日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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