遺族が語り継ぐ安全への教訓 11人犠牲の明石歩道橋事故から25年 花火大会再開には課題も
夏祭りの花火大会で、見物客ら11人が死亡し、247人が負傷した兵庫県明石市の歩道橋事故。当時2歳だった最愛の息子・智仁くんが亡くなってからきょう(21日)で25年です。
(下村誠治さん)
「結局子どもを守ってやれずに僕も気を失っている。二度と起こしてはいけない思い」
父親の下村誠治さんはきょう(21日)、明石市の新人職員ら約70人に対し、彼らが生まれるよりも前に起きた事故に関する講演を行い、安全対策の重要性などを訴えました。
2001年7月21日午後8時半すぎ、兵庫県明石市であった夏祭りの花火大会で、会場へと続く歩道橋に見物客が押し寄せ、「群衆なだれ」が発生しました。
子ども9人を含む11人が死亡、247人が負傷しました。下村さんの次男・智仁くんも犠牲となったうちの1人です。
(下村さん)
「25年たった今でも変わらない時間が残ったまま。僕にとっては亡くなった子どもの時間はストップしているので、悲しみとか怒りとかはそのままある。安心・安全な文化を作ることを目的に被害者の思いを支えるような社会になるように動きたい」
事故後には、警察の警備体制のほか、明石市や警備会社の警備計画などがずさんなものだったことが明らかになり、雑踏警備の計画が改められることとなりました。
それでも、明石市ではこれまで25年間にわたり花火大会は中止されたままで、一度も再開には至っていません。
(街の人)
「私はまたやってほしいと思います」
「気を付けながらやるというならやったらいいと思います。収容キャパは決まっていると思うので、それを超えて人が集まるとなれば大変」
そんな中、市民団体から花火大会の再開を願う要望が出され、市が開催の実現性に関する調査を実施。2026年3月には、調査結果が報告されたものの、再開に向けては、いくつものハードルが残されていました。
明石市は、2つのパターンでの開催を想定し、調査を実施。1つ目が従来同様、1か所の会場で開催する想定です。
(報告=益永佳奈記者)
「1か所で開催する場合、約12万人の来場者が予想されますが、4万人以上が収容できないということです」
明石市役所周辺で開催する場合、観覧可能エリア外の来場者の対策が必要となるほか、費用も1億円ほどかかる可能性があるといいます。
一方、会場を4つに分けて開催する場合も、会場として設定している場所の出入り口が少ないことなどから、退場時に「群衆なだれ」になりかねないような混乱が生じる恐れがあり、開催に踏み切るのは難しいといいます。
(下村さん)
「安心・安全なしに(花火大会の再開を)やってもらったら困る。再開する場合、ここが危ないということや中止も含めて、自分なりに検証して苦言も言わしてもらう」
事故から25年。花火大会の再開へ一歩踏み出す動きもありますが、安全対策への課題は残されています。
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