iPS細胞による再生医療が世界初の実用化へ 心臓病とパーキンソン病の治療に踏み出す大きな一歩
心臓病やパーキンソン病を治療するためのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った製品が実用化へ。未来の医療として期待されるiPSの再生医療が大きく前進しました。
大阪大学・澤芳樹特任教授
「もしもし。澤です。あ~ほんと!良かったですね」
心臓病の分野で世界を牽引する大阪大学の澤特任教授。19日夜、届いたのは喜びの知らせでした。
大阪大学・澤芳樹特任教授
「無事に部会を通過したということで、承認に差しつかえないという判断をされたと聞いている」
澤教授が参画する大阪大学発のベンチャー企業「クオリプス」が開発を進めてきたのは、iPS細胞を使った心筋細胞シート。19日、厚生労働省の専門部会で条件付きで製造・販売が承認され、世界初のiPS細胞を使った製品となる見通しになりました。
移植や人工心臓を待つしかないとされてきた重い心臓病への治療法として注目され、心臓に貼り付けることで、弱った心機能を回復させることが期待されています。
“心筋シート”は、去年開催された大阪・関西万博でも展示され、“未来の医療”として、大きな注目を集めました。
大阪大学・澤芳樹特任教授
「適正な価格のもとにですね、一刻も早く患者さんに届けることが大事だと思っています。薬価がついて保険診療としてスタートできるとしたら、この秋くらいかと」
また19日、同じく承認されたのが、大手製薬会社「住友ファーマ」のグループが開発した、パーキンソン病を治療するための製品です。
パーキンソン病は、手足の震えなどの症状が出て、最悪の場合、寝たきりになることもある難病です。患者は国内に25万人ほどいるとされていますが、根本的な治療法はありません。
開発チームは、iPS細胞から作り出した神経細胞を患者の脳に移植することで症状の改善を目指します。
住友ファーマ再生・細胞医薬推進室・吉田賢司室長
「やっと社会に広げるという、使命の第一歩に立ったということで。適切に患者さんに届けられるような体制を全力で作っていきたい」
今回の承認について、iPS細胞を作製した京都大学の山中伸弥教授はー。
京都大学・山中伸弥教授
「大きな一歩を踏み出せたことを大変うれしく思います。浮足立つことなく、科学的な慎重さを持って、引き続き一歩ずつ着実に進んでいくことが重要だと考えています」
2つの製品は、今後7年の間に効果を検証することになります。
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