老人ホーム入居者が女性職員をハンマーで殺害 施設側に賠償命令 遺族「変わっていくきっかけに…」介護現場で約35%が『身体的暴力を受けた』
4年前、大阪市内の老人ホームで、職員の女性が入居者の男に殺害された事件。遺族が施設を相手に起こした裁判で、大阪地裁は安全対策を怠ったとして施設側に賠償を命じました。
「夏も近づく八十八夜~」
仲睦まじく、孫娘と遊ぶ女性。介護の現場で30年近く働いていたベテランの介護ヘルパーでした。
亡くなった女性の長女
「すごく優しくて世話好き。人の世話をすることにすごくやりがいを感じて(介護ヘルパーを)していたのかなと」
榊真希子さん(68)。4年前、勤務先の老人ホームで、入居者の男にハンマーで殴られ、亡くなりました。
男が事件後に自殺したため、動機は不明なままですが、男は事件前から度々、職員や入居者に暴力をふるっていました。
事件の約2週間前には、施設内で別の職員のふるまいに腹を立て、蹴り上げた椅子が職員に当たったほか、事件3日前にも、トラブルになった別の入居者を殴る蹴るなどし、ケガをさせていました。
しかし、男の危険性が明らかになっている中でも、事件当日、榊さんはたった1人で夜勤の業務にあたらされていました。
亡くなった榊さんの長女
「何か対策をとっていたら、亡くなるまではいかなかったのではないか。ちゃんと(何があったのか)理解したいというのがありました」
長女らは、事件を予見できたにもかかわらず安全対策を怠ったとして、施設側に約4000万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
施設側は、殺人の危険性は通常予想される危険とは言えないなどと主張しましたが、25日、大阪地裁はー。
裁判長
「被告(施設側)は夜勤の時間帯の危害防止措置を実施していなかった。被告(施設側)が安全配慮義務を尽くしていれば、事件で榊さんが死亡することもなかった」
施設側が、男の暴力行為の周知や施錠の指導などを十分に行っていなかったとして、施設側に約4000万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
介護ヘルパーの安全確保の必要性を示した今回の判決。業界全体にとっても大きな意味を持っています。
全国的な労働組合「日本介護クラフトユニオン」が去年行った調査では、回答した1389人のうち約35%の485人が、「利用者らから身体的暴力を受けた経験がある」としています。介護現場に詳しい専門家はー。
介護現場に詳しい 淑徳大学・結城康博 教授
「加害者となる可能性のある利用者に対して、どのように組織的に対応するか。そういうところが介護業界に問われている今回の事件だったと思います。他産業に比べれば低賃金・重労働のような問題でかなり人手不足になっているということが言えるかもしれませんが、組織としてしっかりと施設側が対応する、これが介護職員の定着や確保につながると思います」
「母が戻ってくるわけではないけれど…」と裁判への思いを語っていた、榊さんの長女。
亡くなった榊さんの長女
「働く人も含め、みんなが安心して暮らせるような職場・施設になるようにっていうのは思いますし、何か少しでもちょっと変わっていくきっかけになったらと思います」
▼特集動画や深堀解説、最新ニュースを毎日配信 チャンネル登録はこちら
https://www.youtube.com/channel/UCv7_krlrre3GQi79d4guxHQ
▼読売テレビ報道局のSNS
TikTok https://ift.tt/uA9dF0b
X(旧Twitter)https://twitter.com/news_ytv
▼かんさい情報ネットten.
Facebook https://ift.tt/hRe5aOX
Instagram https://ift.tt/lS9dMyW
X(旧Twitter)https://twitter.com/ytvnewsten
webサイト https://ift.tt/XAU9wLM
▼読売テレビニュース
https://ift.tt/Hj39TdM
▼情報ライブ ミヤネ屋
https://ift.tt/PVj8YZD
▼ニュースジグザグ
X(旧Twitter)https://x.com/ytvzigzag
webサイト https://ift.tt/zSNfE4c
▼す・またん!
HP:https://ift.tt/Lxm0UB9
X(Twitter):@sumatanent
Tweets by sumatanent
Instagram:@sumatanentame
https://ift.tt/4eA6rZ0
TikTok:@sumatantiktok
https://ift.tt/RmztKMk
▼情報提供はこちら「投稿ボックス」
https://ift.tt/qNyc7dm
コメントを書く