【万博】愛子さまも視察『赤十字館』とは? 阪神大震災を糧に活動する職員も 万博とは古くからの縁

【万博】愛子さまも視察『赤十字館』とは? 阪神大震災を糧に活動する職員も 万博とは古くからの縁

【万博】愛子さまも視察『赤十字館』とは? 阪神大震災を糧に活動する職員も 万博とは古くからの縁

 (中谷キャスター)
「赤十字館」は、万博の意義を体感できるパビリオンになっているということです。

 天皇皇后両陛下も視察されました。中はどうなっているのか?そして「赤十字館」と万博には深いつながりがあるということで、ご紹介したいと思います。

 古くから縁があります。
 最初に「赤十字」が万博に出展したのが、「パリ万博」なんですね。1867年に初出展しました。

 これは敵味方の区別なく救護するという、赤十字の精神を普及するためということなんですが、こちら「救急馬車」といって、今でいう救急車ですね。中には5人の患者さんを運ぶこともできるという「救急馬車」の展示も、パリ万博で行われたということです。

 この万博に日本人も訪れています。佐賀藩から派遣された佐野常民さんです。パリ万博に派遣されて衝撃を受け、後の日本赤十字社にあたる「博愛社」を設立されました。
 最初の活動は、1877年の「西南戦争」です。

 万博に縁が深い「赤十字社」が今回の万博で展示しているのは、未来ではなく「いま」です。

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 最新の科学技術やグルメを紹介するパビリオンが多い中、“日常”の大切さを伝える展示から始まる、赤十字のパビリオン。

 有光貴幸ディレクター
「奥のゾーンでは、当たり前の日常が奪われてしまう戦争や災害の現場と、そうした現場で赤十字や赤新月社の職員の方々がどのように向き合ってきたのかを伝えています」

「同僚の医師が救急外来で患者対応に当たっているときに、患者さんを見たときに、医師の自分のお子さんということに気づいたようで、ひとりはすでに亡くなられていて…」

 様々な戦争や災害への対応が紹介される中、阪神・淡路大震災の当時、まだ入社前だった職員が、ある経験を語っていました。

 日本赤十字社の香川県支部・大林武彦さん
「阪神・淡路大震災の惨状を目の前にしても、片付けも手伝うこともなく、またボランティア活動にも参加しませんでした。後ろめたい気持ちがあふれかえったのを覚えています」

 日本赤十字社の香川県支部で災害対応などにあたる大林武彦さん(52)。

 30年前の大学4年生の冬、震災に見舞われた友人の実家がある兵庫県を四国から訪れましたが、支援などはせず、帰宅。そのモヤモヤを抱えたまま、春を迎えたときに、ある決断をしました。

 大林武彦さん
「当時は一般企業に就職する予定だったんですけど、私の中で今まで蓋をしていた後ろめたい気持ちを(克服して)、実際に行動するために、日赤に入ろうとその時に決めたんです」

 それ以来、東日本大震災など、日本全国の被災地で行う救護活動の最前線で指揮をとってきました。

 大林武彦さん
「後悔という言葉がありますが、後悔は本当に悪いことだけなのかなと。自問自答したこともあるんですけど。次への糧になるのかなと。次へのアクションのきっかけになるんではないか。自分の中ではそう解決するようにしております」

 大林武彦さん
「すべての建物、家々が潰れていました。阪神・淡路大震災の惨状を目の前にしても、実は何も出来ていなかったんです」

 来館者
「自分にできること、色々思っていても何も行動できていないなと、思い出さされた」
「日本は戦争はないから大丈夫だと思うんじゃなくて、他の国では戦争がおきているから、助けてあげなきゃいけないと思いました」

 大林武彦さん
「多くの方が、普通の人なんですよね。スーパーマンではない。はっきり言って僕も十分ではない人間だと自分なりには思っている。スーパーマンではない、一個人、ひとりの人間として出来ることが集まれば、いろんな困難なことでも、解決できる問題が多いと思う。そういうことをみんなに知ってもらいたいと思う」

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(中谷キャスター)
 来場された方からは、「これが現実なんだな」という声も聞かれたということです。きのう時点ですでに3万人の方が来館されています。

 私も「赤十字館」とは別に、「ウクライナ」のブースを以前に取材したんですけれども、ウクライナのブースでは、子どもたちが地下のシェルターで授業を受けている様子や、サイレンがロシアの攻撃で銃撃されて穴が開いている、それが今も正常に動いているんですよという展示があったり、本当に戦争が今も続いているウクライナの現状を発信されていたんです。

 「万博」は、「未来を描く」というテーマがありますが、未来を描くには今を知ってもらわないといけないという強いメッセージを、ウクライナのブースでも感じることができました。

 今から考える万博として、こちらも重要なメッセージを発信されています。

 河瀬直美さんがプロデュースされているパビリオンです。
 京都府福知山市の廃校を移設して建設されたパビリオンなんですが、1時間に1回、150人の方を呼んで、その中から一般人の方を1人と、画面の向こうにオーディションを受けた一般の方が初対面で対話をするということが行われているんですね。

 テーマは日替わりで、例えば「きょうが人類最後の日だとしたら、あなたは誰と何を話しますか」といったテーマをもとに、対話を通じていろんな価値観を知ることができる、こういった取り組みも行われているということです。

 河瀬さんはこのように話をされています。
「分断を克服し、つながるには、対話を通じて“違い”を知り、人はもっと相手を理解できると気づくことが大事」だと。とても大切なメッセージだなと思います。

(横須賀解説委員)
 そうですね。今年は戦後80年ですが、日本は敗戦国として平和を願う気持ちは人一倍強いわけですよね。そのノウハウを日本は持つことができているし、災害についても、救急医療や復興、これも日本はノウハウを持っています。
 日本で、しかも大阪でやる万博の意義、日本から発せられるメッセージって本当にたくさんあるんだなって、改めて感じられる万博の意義ですよね。

 華やかな技術だけではなく、命を考える場になってほしいなと思います。

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