覚醒剤で殺人「一切ありません」購入「怖くて言えなかった」”紀州のドン・ファン”元妻改めて無罪主張
“紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家の男性を殺害した罪に問われている元妻の裁判員裁判で、11日、2日目の被告人質問が行われました。覚醒剤を使っての殺害について、須藤被告は「一切ありません」と改めて無罪を主張しました。
6年前、和歌山県田辺市の自宅で、野崎幸助さん(当時77)に何らかの方法で致死量を超える覚醒剤を摂取させ、殺害したとされている元妻の須藤早貴被告(28)。この日も黒のスーツ姿で法廷に立ち、はきはきした口調で弁護側の質問に答えました。
須藤早貴被告
「野崎さん本人に遺産をもらってほしいと言われていた。遺産目当てということを誰にも隠していないです」
弁護人
「あなたが用意した覚醒剤を野崎さんに口から摂取させて殺したと言われていますが、そういう事実はありますか?」
須藤早貴被告
「一切ありません」
改めて無罪を主張しました。そして午後から始まった検察側の被告人質問…
検察
「なぜ結婚した?」
須藤早貴被告
「月100万円もらえるから」
検察
「野崎さんが死んだら遺産は?」
須藤早貴被告
「『君にもらってほしい』と言われた。死んだらもらえると思っていた。社長(野崎さん)のこと恋愛対象としては見てない。うざ!っとは思いますね」
野崎さんの死因とされる覚醒剤については…
検察
「(覚醒剤)使っているのを見たことは?」
須藤早貴被告
「ないです」
犯行を示す直接的な証拠がない中、検察側が須藤被告の主張に対しどう切り込むのか。
◇◇◇
和歌山地裁から最新情報です。(取材・報告=澤井耀平 記者)
裁判は現在も続いています。これまで言いよどむことなく すらすらと質問に答えていた須藤被告ですが、午後から行われた検察側の被告人質問では言葉に詰まったり、沈黙する場面もありました。
須藤被告は先週金曜日(8日)の被告人質問で事件の2か月ほど前、野崎さんに「覚せい剤を買ってきて」と頼まれたと話していましたが、検察からの被告人質問では、捜査段階の調べで須藤被告が覚醒剤について「買っていないし(野崎さんが)関わっているとも思わなかった」と答えていたことが明らかになりました。
この点について検察側から「買って渡したと言えば良かったのでは?」と聞かれると、須藤被告は「警察にそう言ったところで信じてもらえると思わなかった。怖くて言えなかった」と答えました。
また、弁護側の被告人質問では事件当日、2階に「目薬を差しに行ったりした」と答えていましたが、このことを追及されると、「日常的なことだから記憶から抜けてたんだと思う」と語り、さらに、野崎さんの容体の急変について「充電器を取りに入る時、顔を見たら “ろう人形”みたいになっていた」と初めて語りました。
犯行を示す直接的な証拠がなく、検察側と弁護側の主張が真っ向から対立する中、須藤被告が法廷で明かした言葉の信用性について裁判官や裁判員がどう判断するのか。被告人質問は今週金曜日(15日)にも予定されています。
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