大きく傾いたビル 懸命な救助活動…最大震度6強の台湾・花連市から最新情報 9人死亡 千人以上けが
3日、台湾沖で発生した大地震では、これまでに9人が死亡しています。今も懸命の救助活動が続いています。現地から最新情報です。
（取材・報告＝足立夏保キャスター）
3日に最大震度6強を観測し、最も被害が大きかった台湾東部の花蓮（かれん）市です。いま立っているのは道路ですが、規制線が張られていて通行止めとなっています。
海外メディアや現地のメディアがずらっとカメラを向けているのが、奥にある10階建ての建物です。低層階が崩れ、大きく傾いてしまっています。この傾きが、昨日よりも、今朝よりも増しているということです。私たちも、1時間半ほど前に見た時よりも、屋上の部分がはっきり見えてきました。
現地メディアによりますと、ビルの管理人の方は、住人の方に、大切な物を取りに帰りたい気持ちはわかるが、決して近づかないでほしいと訴えていたということです。
ここ花蓮市は、観光地としても有名な場所で、日本でいうと沖縄のような場所なんです。花蓮市を代表するのが、こちらの夜市ですが、本来であれば多くの人でにぎわうところ、今はほとんど人がいません。店もシャッターが降りてしまっています。
ここは花蓮市の震源に近いエリアで、この場所以外でも被害が出ています。一方で、ここから車で10分ほど離れた市内の中心部では、ほとんどの店が通常通り営業していました。駅には観光客がたくさんいて、タクシーも行きかっています。商店街では、商品がきれいに並んでいました。
同じ花蓮市でも、沿岸部と中心部で被害の差が大きいことが見受けられました。地震翌日の現地の最新状況を取材しました。
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3日夜、台湾東部、花蓮県の中心部では低層階が崩れ、倒れそうになっているビルのそばに、夜を徹して土砂が次々と運びこまれました。土砂を積み上げて、これ以上傾かないようにするということです
一夜明け、ビルは大きく傾いたままで危険な状態が続いています。
この建物からは20人以上が救出されましたが、台湾メディアによりますと、地震直後に逃げたものの、猫を助けようとしてビルに戻った女性が死亡しました。
また、別のビルで4日午前まで閉じ込められていたという男性が取材に応じました。
閉じ込められていた男性
「きょう脱出したばかりだ。ドアが開かなかったんだ。ケガはない。頭がふらふら、足もふにゃふにゃだ。地震が大きすぎて、物が全部倒れた。冷蔵庫も勝手に滑り出して1メートルぐらい移動したよ」
足立キャスター
「規制が貼られている先には、ビルの低層階が大きく崩れてしまっています。2階部分の窓ガラスや壁が崩れ落ちて、地面にがれきなどが落ちてしまっています」
「マンションの住民が、一つのフロアにつき10分という時間を設けて、貴重品などを持ち出しています」
住民
「（持ち出したのは）子ども用品と自分の着るものです。このマンションにはもう住めなくなると思う」
また、花蓮県に向かう中心部の道路では、いたるところに落石などがあり、支援活動や物流の停滞が懸念されています。
台湾のアナウンサー
「私はすでにカメラの前でまともに立てなくなっています。上部から一部の機材が落ちてきています」
「バリバリバリ～」
日本時間3日午前9時ごろ、台湾を襲った大地震。
通勤客らが乗った列車は立っていられないほどに大きく揺れ、各地で甚大な被害をもたらしました。
震源に最も近い東部の花蓮県。
大きな揺れとともに、走り出す人たち。すると…1階部分を押しつぶしながら崩れるビル。建物の真下にいた人は間一髪逃げますが、先が見えなくなるほどの土煙が…。
これは、走行中の車内から撮影された崩れる瞬間の映像。花蓮県では、地震で建物の一部がつぶれる被害が相次ぎました。
斜めに傾いてしまったのは、オフィスとアパートが入るビル。その中を慎重に歩く救助隊。
「誰かいますか？」
閉じ込められた人の救助活動が続けられ…、地元メディアによりますと、この建物から22人が救出されたということです。
「ケガはないですか？」
救助された女性
「ドアが開かず、閉じ込められました。物が全部崩れ落ちてきたんです」
台湾当局によりますと、この地震でこれまでに9人が死亡、1000人以上がケガをしています。
4日朝に撮影された映像では、山間部のトンネルに取り残された人々が、カメラに向かって手を振る様子が確認できます。
台湾全域では、今も646人が取り残されているほか、42人と連絡が取れていないということで、消防などによる懸命な救助活動と安否の確認が行われています。
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（Q、現地の交通状況は？）
私たちは3日に桃園国際空港に到着しました。そこから花連市に向かうために、本来であれば台北市を通って行くことができるのですが、台北から花連市の間が土砂崩れや道路が陥没している影響で通行止めとなっています。そのため、桃園国際空港から約280キロ南の高雄市まで行きました。そこから花連市まで電車で約4時間かけて200キロを移動しました。きょうは地震の影響か、5時間ほどかかりました。
（Q、きょうは体で感じるような地震はありましたか？）
きょうは午後から花蓮市内で取材をしていますが、40分ほど前に、体で感じるような揺れがありました。また住民の方に話を聞きますと、1日に4回か5回くらいは体で感じるような揺れがあるということです。
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