「新しい内容出ない」「意味がない」関西選出議員は与野党とも冷ややか、談笑も…首相が初出席の政倫審
29日、衆議院の政治倫理審査会が、完全公開の形で開催されました。現職の首相が初めて出席する異常事態となった国会から中継です。（取材報告：平田博一記者）
政治倫理審査会は午後2時から始まり、約3時間にわたって行われました。15年ぶりの開催、さらに現職の首相が出席するのは初めてということで、会場の前には多くの報道陣が駆け付けました。
岸田文雄首相は、午後1時50分ごろに報道陣の前に姿を現しました。かなり緊迫感のある様子を想像していたのですが、意外にも淡々とした表情で、普段とあまり変わらない姿で会場に入っていきました。
開催を巡っては公開か非公開かで調整が難航し、岸田首相が自ら出席することで完全公開での開催にこぎつけた訳ですが、会場の広さが限られていることなどから、報道陣で中に入ることができたのは30人ほどにとどまりました。
私は会場の前で入室する議員の様子を取材していたのですが、メディア側の緊迫感とは裏腹に、野党議員の中には談笑しながら入っていく人もいて、今回の政倫審は、形式上の会にすぎないという印象を受けました。岸田首相への質疑、二階派の事務総長である武田良太元総務相への質疑も先ほど終了しました。
（Q、あすは安倍派の事務総長だった西村氏ら4人が出席しますが、本日の様子などは入っていますか？）
あす出席する西村氏の事務所を本日取材しましたが、こちらは非常にピリピりリした雰囲気でした。あすの政倫審についてはノーコメントで、早々に事務所を出されてしまいました。非常に緊張感のある様子が伝わってきました。
（Q、関西選出の国会議員は、今回の政倫審をどのように見ていますが？）
与野党ともに非常に冷ややかな反応です。ある自民党の衆院議員は「政倫審をしても新しい内容が出ないことは、みんなの共通認識。あまり興味がない」と突き放したように話しました。
また野党である維新の参院議員は、「自民としてはこれで幕引きをしたい、野党としては完全公開を勝ち取ったという思いだろうが、政倫審で何も明らかになることはないので、開催することに全く意味がない。政策活動費の扱いをどうするかなど、本質的な議論に時間をかけるべきだ」と厳しく批判していました。
与野党ともに、形式上行っているものにすぎないという認識が広がっている政倫審ですが、あすは、その認識を上回る回答を引き出せるかどうかが注目されます。
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