被害者家族「罪を償って…」半世紀にわたり逃亡、桐島聡容疑者か 身柄確保の一報に 元過激派メンバーは「生きてて良かった」【news23】|TBS NEWS DIG

被害者家族「罪を償って…」半世紀にわたり逃亡、桐島聡容疑者か 身柄確保の一報に 元過激派メンバーは「生きてて良かった」【news23】|TBS NEWS DIG

被害者家族「罪を償って…」半世紀にわたり逃亡、桐島聡容疑者か 身柄確保の一報に 元過激派メンバーは「生きてて良かった」【news23】|TBS NEWS DIG

1974年から75年にかけて起きた連続企業爆破事件に関与し指名手配され、およそ50年逃亡を続けていた桐島聡容疑者とみられる男が警視庁に確保されたことがわかりました。男は末期がんで入院をしていて「最期は本名で迎えたい」と話しているということです。

■多くの人が、街中でふと、この顔を目にしたことがあるかもしれない

30代男性
「指名手配で街角によく貼ってある人ですよね。銀行のATMとか。どうせ捕まらないだろうと思ってたんですけど」

50代会社員 
「(見たこと)ありますね。何だっけな…桐島何とかって名前」

指名手配されていた桐島聡容疑者。

その桐島容疑者とみられる男の身柄が警視庁公安部に確保されたことがわかりました。

捜査関係者によると、男は偽名で神奈川県内の病院に入院していて、警視庁公安部に対し『「桐島聡です」と名乗り出た』という情報が寄せられたということです。

■そもそも「連続企業爆破事件」とは?

仕事終わりの会社員らでにぎわう、東京丸の内。

50年前、この場所にあった三菱重工ビルが爆破され8人が死亡、380人以上が負傷しました。

1974年8月 警視総監(当時)
「時限爆弾と思われる爆発物が爆発した」

この事件を発端に11件、相次いだ企業爆破事件。

犯行に及んでいたのは過激派「東アジア反日武装戦線」です。

当時、大学生だった桐島容疑者もこの組織のメンバーで、1975年4月、東京・銀座のビルにあった「韓国産業経済研究所」の入り口ドアに手製爆弾を仕掛け、爆発させたとして、指名手配されていました。

元警視庁捜査員 戸島国雄さん
「現場は戦場のようだった。時間が経つにつれ、ガラスがひらひら落ちて、二次被害が大きかった」

元警視庁捜査員の戸島さんは当時、複数の現場で鑑識作業に当たりました。

元警視庁捜査員 戸島さん
「丸い爆発した缶の跡が残っていたが、何が爆発したのか、何が目的なのかわからなかった。それが第一印象。火薬が何でできているのか研究した。身近なもので、ああいう爆弾ができていた」
    
これは「東アジア反日武装戦線」のメンバーがアジトにしていたと見られるアパート。

作りかけの爆弾などが見つかっていて、床下には大きな空間も確認できます。

メンバーらは秘密の地下室を作り、爆弾を製造するなど、周到に計画を準備していたとされています。

元警視庁捜査員 戸島さん
「人数は少ないが広範囲に動いていたので、なかなかおさえられなかった。隠密というか静かにやっていた」
    
一連の事件では1975年に容疑者8人が一斉逮捕されています。

戸島さんは、桐島容疑者が半世紀にわたり逃亡し続けられた背景をこう分析します。

元警視庁捜査員 戸島さん
「追われる身は毎日服装を変える。自分の普段の生活習慣を変えて、人相は同じでも風体を変えて、くせを変える」

■元過激派メンバー「生きていて良かった」「会って話がしたい」

桐島容疑者とみられる男の身柄確保の一報を受けて、当時、「東アジア反日武装戦線」で活動していた男性がJNNの取材に応じました。

「東アジア反日武装戦線」の元メンバー
「40年以上会っていませんからね。ただただ驚いている。まだ信じられないです。とにかく会いたい。会って話をしたい。生きていてよかった」

一方、一連の爆破事件で夫が負傷した女性は…

夫が爆破事件で負傷した女性
「(夫は)2~3日は生死の間をさまよって、体中包帯をまかれてね。すごく鮮明に、ショックだったから覚えています」

その後、一命を取り留めた夫は、10年前に病気で亡くなりました。

夫が爆破事件で負傷した女性
「さっき仏壇にお線香をあげた。まだ犯人がいて見つかったみたいよと報告した。自分で申し出たからわかったけど、罪を償っていただきたい」

■偽名で入院…「最期は本名で迎えたい」と桐島容疑者が話す

山本キャスター:
警視庁クラブから最新情報です。入院している桐島容疑者とみられる男は、なぜ今になって名乗り出たのでしょうか?

寺島尚彦記者:
神奈川県・鎌倉市の病院に入院している男が「桐島聡です」と名乗り出たという情報が、神奈川県警から警視庁公安部に寄せられたのは、25日のことでした。

警視庁公安部が桐島容疑者とみられる男に事情聴取をしたところ、事件の関係者しか知り得ない当時の状況などについて話しているということで、公安部は男が桐島容疑者である可能性が高いとみて、DNA型の鑑定を進めています。

また、男は偽名で入院していて、末期のがんを患い治療中だということですが、その後の捜査関係者への取材で、男が「最期は本名で迎えたい」と話していることも新たにわかりました。

今後、警視庁は男が桐島容疑者と特定できたとしても、病状などから逮捕せずに、任意で捜査を進め、容疑が固まり次第、書類送検する方針だということです。

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