【手作り解説】ロシア軍、禁止爆弾使用か? 戦略核兵器の部隊に命令も… ウクライナ侵攻【サンデーモーニング】

【手作り解説】ロシア軍、禁止爆弾使用か? 戦略核兵器の部隊に命令も… ウクライナ侵攻【サンデーモーニング】

【手作り解説】ロシア軍、禁止爆弾使用か? 戦略核兵器の部隊に命令も… ウクライナ侵攻【サンデーモーニング】

ウクライナに侵攻するロシア軍は非人道的と言われる兵器の使用が疑われています。さらに、プーチン大統領は戦略核兵器の部隊に「特別戦闘態勢」を指示、危機レベルがさらに上がっています。

イギリスの調査報道機関が公開した、ウクライナ北東の町、アフトゥイルカの幼稚園の写真―。ロシア軍の攻撃で、天井に穴が空くなど、複数の着弾が確認されました。「クラスター爆弾」の被害と見られます。

■「クラスター爆弾」の使用が疑われる攻撃
ウクライナ第2の都市ハリコフへのロシア軍の攻撃。広い範囲で小さな爆発が複数見られます。笹川平和財団の小原凡司さんは「クラスター爆弾」を使用した可能性があると指摘しています。

「クラスター爆弾」は、数百個もの小さな子爆弾を積んだ爆弾で、空中で子爆弾を放出。広範囲に飛散し、被害を与えます。また、紛争後も不発弾が多く残り、再建への足かせになることなどから“非人道的な兵器”と言われています。

■「燃料気化爆弾」の使用が疑われる攻撃
ロシア軍は、もう一つ、非人道的兵器と言われる「燃料気化爆弾」を使用した可能性が指摘されています。「燃料気化爆弾」は、爆弾に搭載された燃料を、気化して噴出します。それに着火させると、酸素を取り込みながら高温の爆発を起こします。通常の爆弾と比べて被害範囲が広く、爆風を引き起こす時間が長いため、戦術核兵器に次いで、殺傷能力が高いと言われています。

2日にハリコフ近郊で撮影された映像には、周囲が明るくなるほどの爆発の様子や、キノコ雲のような炎も確認できます。これは「燃料気化爆弾」ではないかという指摘が出ています。

「燃料気化爆弾」は周囲の酸素を奪うため、たとえ爆発被害を免れても、窒息死する危険性があるといいます。

これら2つの兵器はそれぞれ国際条約で使用が禁止されています。ロシアはクラスター爆弾禁止条約に批准せず、「燃料気化爆弾」を禁止する条約には批准しています。にもかかわらず、使用の疑いが出ています。ただし、ロシア側は、これらの兵器の使用を認めていません。

一方、ロシアのプーチン大統領は、「核兵器の使用」を示唆しています。核兵器には「戦略核」と「戦術核」の2つがあり、「戦略核」は、大陸間弾道ミサイルなど、大型で威力が大きく、人口密集地など大規模な目標の破壊が目的です。

「戦術核」は、それよりも威力は小さく、戦場で軍事目標を攻撃するのが目的です。小型化し、「使える核兵器」にしようとする動きもあります。今回の侵攻で「戦術核」が使用される恐れを指摘する専門家もいます。ところが2月27日、プーチン氏は「ロシア軍の抑止力を特別戦闘態勢にする」として、「戦略核」の部隊に命令を下したのです。欧米への威嚇が目的としても極めて危険な言動です。

その上、3日、プーチン氏は「ウクライナで戦うのは、国境付近で、核兵器なども含めて、我々を脅かさないようにするため」と発言。自らの言動を省みず、ウクライナへの侵攻を正当化しています。どうすれば止めることができるのでしょうか。

(「サンデーモーニング」2022年3月6日より)
(06日13:42)

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