特捜部はなぜ安倍派と二階派の家宅捜索に乗り出した？【記者が解説】｜TBS NEWS DIG
自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、政治の中枢に強制捜査です。東京地検特捜部は最大派閥・安倍派と二階派、2つの派閥の事務所を家宅捜索しました。
特捜部は午前10時ごろ、こちら安倍派の事務所と、ここからわずか100メートルほど先にある二階派の事務所に、ほぼ同時に強制捜査に乗り出しました。
安倍派の政治資金パーティーでは、収入の一部が議員側にキックバックされ、派閥側、議員側とも政治資金収支報告書に記載せず、裏金にしていた疑いがあります。
特捜部の家宅捜索は、開始からおよそ5時間たった午後3時ごろに一区切りしたとみられ、係官が続々と事務所を後にしました。
（Q.特捜部はなぜ、2つの派閥の家宅捜索に乗り出したのでしょうか？）
裏金は、安倍派全体では過去5年間で総額5億円に上り、二階派でもパーティー収入で得た億単位の額を収支報告書に記載していなかったとみられています。
安倍派議員の秘書が特捜部に対し、キックバックについて、「収支報告書に記載の必要がないと派閥側から説明を受けた」と説明していることが分かっていて、特捜部は、派閥が中心となって一連の裏金作りに関わっていた可能性があると判断したものとみられます。
続いて、二階派の事務所前です。
こちらでは午前10時と10時半の2回にわけ、あわせて24人の係官が次々と建物に入っていき、現在までに捜索は終わったものとみられます。
この問題をめぐっては、二階派でも政治資金パーティー収入で得た億単位の額を収支報告書に記載していなかった疑いが浮上しています。
特捜部はすでに、キックバックを受け取った議員側に政治資金収支報告書の原本や口座の通帳などの資料の提出を求めているほか、二階派の元会計責任者にも任意で事情聴取するなど、捜査を進めてきました。
特捜部は家宅捜索を通じて事務所の資料を押収し、収支報告書に記載されていない収支の規模やいきさつ、所属する国会議員がどこまで認識していたかなど、さらに詳しく調べるとみられます。
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