イスラエルの本音は“早期終結”?理由は「経済」「人質」「一般市民の安全」(2023年10月16日)
イスラエルが大規模な地上作戦に踏み切るとの見方が強まる中、今後どうなっていくのでしょうか?
中東地域研究が専門の防衛省防衛研究所・西野正巳主任研究官に聞きました。
西野主任研究官によりますと、「イスラエル側は本音では『可能であれば早く終わらせたい』と考えている」と言います。
その理由は、主に3つあります。
■理由1:「経済」
地上戦を戦う多くのイスラエル兵は、普段は別の仕事をしている一般市民の「予備役」です。
今回、30万人以上の予備役が動員されて仕事から離れている状態です。この状態ですと、経済活動がある程度止まってしまいます。
経済活動を早く動かしたいということが、1つ目の理由です。
■理由2:「人質の解放」
ハマス側は、少なくとも155人の人質をとっているとされています。
西野主任研究官によりますと、「こうした人たちの身の安全のため、イスラエル側は早期の奪還を目指している」ということです。
■理由3:「ガザの一般市民の安全」
現在、イスラエル側は「ハマス」にダメージを与えるために、ガザ地区への電気や食料などの物資の供給を止めている状況です。
ただこれ以上、止め続けてしまうと、ガザ地区に住む一般市民の犠牲が増えてしまう可能性があります。
こうしたことから、西野主任研究官は「イスラエルとしては、一刻も早く地上戦を始めて、その分、早く終わらせたいのでは」と分析しています。
だが、「イスラエル側が早く終わらせたいと思っていたとしても、ハマスは多数の市民をガザ地区に残しゲリラ戦を仕掛けてくるとみられることなどから、終わりの見通しは立たない」と言います。
ただし、「今回、ハマスから過去にない攻撃を受けたイスラエル側としては、長期化して、たとえ経済が回らなくなったとしても、徹底的にハマスを攻撃し続けるだろう」と話していました。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2023年10月16日放送)
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