渋滞で路上ライブ＆麻雀 中国で大型連休…20億人大移動 日本にも大挙「円安でお得」【もっと知りたい！】(2023年10月2日)
中国で大型連休が始まりました。処理水放出の影響も心配されていましたが、人気の旅行先として選ばれたのは日本でした。番組が中国人観光客を取材すると、意外な事実が見えてきました。
■高速道路で料理？ 20億5000万人大移動
先月29日深夜、四川省で撮影された動画です。突然、男性がマイクを片手に車の屋根によじ登り、中国で人気のクラブミュージックを流し、ノリノリで踊りだします。
男性が踊っているのは、なんと高速道路のトンネルの中です。多くの人が車から降りて、即興ライブを楽しんでいます。なかにはスマートフォンのライトを振っている人も見られました。
現地メディアによると、渋滞で車が2時間ほど全く動かなくなったため、男性が周囲の人を喜ばそうとフリーライブを開催したといいます。
中国では先月29日から建国記念日の国慶節に伴う8日間の大型連休、「スーパーゴールデンウィーク」が始まり、延べ20億5000万人が移動します。
そのため、各地の高速道路では大渋滞が発生しており、全く進まない車にしびれを切らした人々が車から降りて、時間をつぶす様子が風物詩になっています。
高速道路の真ん中で麻雀に興じるグループや、酒盛りをする人々、さらにはバドミントンを楽しむ人もいました。おなかが減ってしまったのでしょうか、トラックの横で中華鍋を振って料理をしている人もいます。
■中国人観光客「日本は円安でお得」
混雑しているのは道路だけではありません。「シルクロードの要衝」として栄えた中国北西部・甘粛省の敦煌では、ラクダが大渋滞。観光のツアーに人が殺到しています。夜の野外コンサートには、砂漠を埋め尽くすほどの人が集まっています。
世界遺産「万里の長城」も多くの人でにぎわっており、階段を多くの人がのぼっています。
中国旅行研究院によると、中国国内の旅行者数は新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年の水準を超え、国慶節の連休としては過去最多となる見通しです。
北京首都空港も、海外へ向かう人々で混雑しています。中国の検索エンジン大手などが発表したデータによると、一番の人気海外旅行先は日本です。
東京・銀座の街中から中国語が聞こえてきますが、若い人が目立ちます。彼らは、なぜ日本を選んだのでしょうか。
北京からの観光客：「日本に来たのはUSJなどで遊ぶ目的と、もう一つが買い物です。結婚指輪を買うつもりです」
上海からの観光客：「日本は治安がよく、円安なので買い物をするのにいい場所です」
上海から来たカップルが日本で購入したのは、80万円のバッグと20万円のネックレスです。上海と比べて「1～2割安い」といいます。「日本は円安でお得」という声が、取材で多く聞かれました。
■若者と親世代 処理水への見解に違い
中国は福島第一原発の処理水放出へ反発を強めていますが、訪日にためらいはなかったのでしょうか。
上海からの観光客：「迷いはありましたが、IAEA関連の記事を読んだことがありますので、それほど深刻なものではないと思います。私達2人はあまり政治には興味がないので」
西安からの観光客：「1カ月前から予約して寿司を食べました。日本だと食材も新鮮だし、職人さんの動作が一つ一つ丁寧で、本場のお寿司という感じですね。私みたいな若者にとって、政治は政治、生活は生活で別です」
洛陽からの観光客：「日本の文化が好きです。処理水については、あまり影響がありません」
中国の若者の多くは「処理水の問題を政治の問題」として捉えていて、日本の水産物についてはそれほど心配していないようです。
1日に取材した11組の訪日観光客のうち、「処理水を気にして海鮮を食べない」と答えたのは2組だけでした。
北京からの観光客：「さっき、築地市場で海鮮丼を食べました。料理がおいしいから、日本に来ました」
しかし、親からは日本行きを止められたと言います。
北京からの観光客：「親からは『絶対今じゃないとダメ？』と言われました」
親世代の多くは国営のテレビや新聞から情報を得ている一方、若者世代の多くはインターネットで中国国外の情報に直接触れているため、処理水についての考え方に差があるようです。
北京からの観光客：「来る前にSNSでいろいろと情報収集を行いました。参考になりますね」
（「グッド！モーニング」2023年10月2日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
