「完全受注漁」市場通さず…注文された分だけ魚をとる 漁師も“働き方改革”(2023年9月22日)

「完全受注漁」市場通さず…注文された分だけ魚をとる 漁師も“働き方改革”(2023年9月22日)

「完全受注漁」市場通さず…注文された分だけ魚をとる 漁師も“働き方改革”(2023年9月22日)

 岡山県の漁師が、「受注分しか魚をとらない」という新たな漁法に取り組んでいます。売り上げが増えたほか、操業時間も短くなり、家族と過ごす時間も生まれました。

■漁師から直接仕入れ「アピールポイントになる」

 東京・東村山市の寿司(すし)店。大将が握っているのは、脂がのった中トロ、高級魚のクエ、そしてマダイの寿司です。通常1貫1000円してもおかしくないクエが、こちらでは440円で提供されています。

 大将は市場を通さず直接、漁師から仕入れています。

 ダイヤ寿司 大将 田中清英さん:「中間手数料が少ないので、割安になると思います。(水揚げしてから)一晩で来るので、普通の市場経由よりコンディションがいいです」

 その仕入れ先の一つが岡山県の漁船、邦美丸です。タブレット端末に予算を入力。魚の種類を指定することができますが、大将は「おまかせ」で注文します。種類は様々ですが、タイが届くこともあるといいます。

 田中さん:「タイは間違いないという感じで、身が引き締まっておいしいタイが送ってもらえる。普通に市場から仕入れるのとは違って、どこの誰がどういう漁をしているのか分かる。お客さんにオススメする時もアピールポイントになる」

■「完全受注漁」売上2倍に…漁の時間は半分以下

 この邦美丸の漁師・富永邦彦さんは、少し変わった漁の仕方をします。

 富永さん:「(Q.とった魚を海に?)注文以上にとれたお魚はリリースします」

 SNSなどで事前に注文された分だけ魚をとる「完全受注漁」。注文されていない魚は海へ戻します。

 富永さん:「年々、水揚げが減っているのを肌で感じているので、これから水産資源を守りながら持続可能な漁業にしていくには、必要以上にとらない方法かな」

 この「完全受注漁」を始めてから、とる魚の量は半分以下になったということですが、売り上げは2倍になったそうです。

 買い手と直接取引ができるため、変動する市場価格の影響を受けず、安定した価格で売ることができるといいます。

 また、通常、漁にかかる時間は14時間ほどでしたが、こちらも半分以下にまで減らすことができました。

 小学6年生 富永竜空くん:「(Q.お父さんはどう?)公園に連れていってくれる。楽しい」

 富永さん:「漁業界って働く環境が厳しくて、夢がない、もうからない事業だが、こういう活動を通して漁業の世界も夢ある職業にしていきたい」

(「グッド!モーニング」2023年9月22日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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