「ホウキで叩かれた」「全部嫌になった」青葉被告が父親からの虐待など自らの生い立ち語る 京アニ裁判

「ホウキで叩かれた」「全部嫌になった」青葉被告が父親からの虐待など自らの生い立ち語る 京アニ裁判

「ホウキで叩かれた」「全部嫌になった」青葉被告が父親からの虐待など自らの生い立ち語る 京アニ裁判

 36人が亡くなった京都アニメーション放火殺人事件の裁判員裁判で7日、初めて被告人質問が行われ、青葉被告は自らの生い立ちについて語りました。

 36人を殺害した罪などに問われている青葉真司被告の裁判は3日目を迎え、弁護士による被告人質問が行われました。青葉被告はマスクを外して質問に答えました。

 青葉被告が小学生の頃に両親は離婚し、父親に引き取られた後、虐待を受けるなど徐々に生活が変化しました。

 青葉被告
「長時間正座をさせられたり、ホウキの柄でさんざん叩かれたりしました」

 ベランダで素っ裸になって立てと言われたこともあり、暴言も絶えなかったといいます。

 青葉被告
「(暴言は)日常茶飯事過ぎて覚えていないです」

 中学生の時、柔道の大会で準優勝した際にはーー。

 青葉被告
「準優勝した盾を燃やしてこいと言われ、自分で燃やしました」

 父親が仕事を失い、家賃を払えなくなったことで転校を余儀なくされ、その後は不登校となりました。

 4年間、定時制高校に通っていた際は休まず出席し、充実していたと言いますが、社会に出てからは孤立を深めていきました。コンビニでの仕事をやめ、暴行や窃盗などの罪を犯しましたが、犯罪に手を染めた理由についてーー。

 青葉被告
「とにかく全部嫌になって。(職場の同僚に)裏切られたり、仕事しない店長もいて、これ以上のことは出来なかったと思います」

 その後は、工場で勤務するようになりましたが、いずれも長続きせず、次第に人との関わりを避けるようになったと話しました。

 来週は、その後、青葉被告が京アニに対して関心を深め、事件に至るまでの経緯について質問が続く見通しです。

◇◇◇
 裁判が行われた京都地裁前から阿部頼我記者の報告です。

(Q.青葉被告の表情など様子は)
「きょうは青葉被告の口から初めて、直接生い立ちが語られたわけですが、中には自らの父親から虐待を受けていた話など、つらい過去にも話題が及びました。ですが、その間も青葉被告は、表情を変えたり言葉を詰まらせたりすることはなく、終始落ち着いた口調で堂々と話していたのが印象的でした。この日は、ほとんど1日をかけて、青葉被告が歩んだ人生についての質問が続いたわけですが、弁護側としては青葉被告の生い立ちや、社会に出てからもまわりとうまく馴染めなかった状況を丁寧に明らかにすることで、それらが心身の状況に影響し、その結果、犯行に繋がってしまったということをアピールする狙いがあると感じました」

(Q.今後の裁判はどのように進むのか)
「来週以降も被告人質問が続くのですが、まずは引き続き弁護側から犯行に至った経緯などについての質問が続くとみられます。その後は、検察、そして被害者遺族からも質問が行われ、被告人質問は、きょうを含めて6日間続きます」
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