「バカ野郎」処理水巡る迷惑電話 若者が中心？中国政府 不満はけ口“黙認状態”(2023年8月29日)
原発処理水放出後に中国の国番号で始まる番号から迷惑電話が相次いでいる問題を巡り、福島市長が29日午後、政府に必要な対応を取るよう緊急要望しました。
■“迷惑電話”巡り福島市が緊急要望
中国からとみられる迷惑電話は29日も続いています。
福島県 内堀雅雄知事：「きのうの1000件から500件余り増えまして、1576件の迷惑電話が確認されています」
福島県庁の代表電話には28日正午からの24時間で約500件の迷惑電話があり、トータルで1500件を超えました。
■都施設に“迷惑電話”「200件超」
25日に掛かってきた電話：「あなたたちはなぜ汚水を排出するのか。あなたたちは馬鹿。なぜ排出するのか」
東京都の公共施設「江戸川区総合文化センター」にもなぜか200件以上の迷惑電話が掛かってきています。
25日に掛かってきた電話：「あなたは頭がおかしいんじゃないですか？なぜ核廃水を海に流す？馬鹿野郎」
着信履歴を見ると中国の国番号「86」で始まる番号ばかり。処理水放出が始まった翌日の25日からでした。
江戸川区総合文化センター 齋藤俊光館長：「25日になって朝からひっきりなしに（電話が）鳴るようになって、ほとんど仕事にならない状態」
なぜ電話を掛けるのか…。こちらから着信番号の1つに電話すると、広東省に住む学生だという若い男女につながりました。
電話したとみられる人物：「SNSで、はやっていたので掛けてみました」「（Q.電話番号は別の人から教えてもらいましたか？）そうです。他の人もたくさん掛けているでしょ。核汚水を放出する方が悪いでしょう」
さらに別の着信履歴の番号に電話すると…。
電話したとみられる人物：「（Q.江戸川総合文化センターにどうして電話をしたのですか？）友達がこの電話番号を教えてくれて、掛けてみてと言われていたのでただ掛けただけです」「（Q.年齢を教えて下さい？）16歳です」
■政府に対応求め 福島市緊急要望
福島市と関係機関には中国からとみられる不審電話が28日までに1018件あることから、木幡市長は29日午後、政府に対応を要請しました。
福島市 木幡浩市長：「市民に対するテロ行為も同然だと。必要な対策を早急に実施されるよう強く要望致します」
警察庁によりますと、中国からとみられる迷惑電話に関する相談が全国31都府県で225件寄せられているということです。
西村経済産業大臣：「病院にもこの嫌がらせの電話が多数入っておりまして、まさに人命に関わることであります。直ちに止めていただきたい」
■中国政府 不満はけ口“黙認状態”
一連の迷惑電話について、ANN中国総局の冨坂総局長は…。
冨坂範明ANN中国総局長：「迷惑電話ですが、若い人たちが愉快犯で掛けている印象です。同じ番号に何度も掛かってくるのはSNSなどで呼び掛けが行われているものとみられます。純粋に科学的な不安からの抗議ではなく、お手軽に愛国心をアピールできる手段として迷惑電話を掛け、うっぷんを晴らしているようにもみえます。中国政府も不満のはけ口として今のところ黙認している形で、特に対策を取るような気配はありません」
中国外務省は日本にある中国大使館にも迷惑電話が来ていると反発しています。
中国外務省 汪文斌副報道局長：「中国は在日中国大使館や領事館に迷惑電話が掛かってきたことについて、日本政府に対処するよう申し入れました。海洋放出が科学的根拠に基づいたというのであれば、なぜ日本国内で反対の声が消えないのでしょうか？」
■寄付4倍「食べて応援したい」
そんななか、日本国内ではこんな動きが…。福島県いわき市へのふるさと納税が急増したというのです。
福島・いわき市 創生推進課 小川仁一さん：「約4倍近くの寄付の申し出をいただいた」
通常、ふるさと納税の申し込み件数は一日40件ほどですが、放出開始時期が決まった22日以降、一日153件に跳ね上がり、27日までの6日間だけで寄付額は1700万円を超えました。この間に寄付した人の9割が水産加工食品などを返礼品に希望したということです。
福島・いわき市 創生推進課 小川仁一さん：「申し込みの際に応援メッセージをいただいておりまして『福島の魚を食べて応援したい』ですとか『少しでも福島の漁業を応援したい』とか、非常にありがたく思っております」
また、福島県南相馬市でもふるさと納税が増えているということです。
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