ビッグモーター調査結果を改ざん　「工場長の指示あった」隠蔽か(2023年7月26日) │ 【気ままに】ニュース速報

ビッグモーター調査結果を改ざん　「工場長の指示あった」隠蔽か(2023年7月26日)

　新社長が指示した改革の一歩はLINEの削除でした。

■「LINEの削除を」　新社長の説明は

　いよいよ行政が動き出した中古車販売大手「ビッグモーター」による保険金不正請求問題。国土交通省によるヒアリングには、創業者の兼重宏行前社長は出席せず、和泉伸二新社長（54）らが出席しました。

　ビッグモーター　和泉伸二新社長：「大変お騒がせをしておりまして誠に申し訳ございません」

　ゴルフボールをぶつけるなど、わざと車に傷を付けて修理をしていたとされるビッグモーター。道路運送車両法では、依頼がないのに修理して料金を請求する行為は禁止されていて、ヒアリングでは違法性を判断するための事実確認がどこまでできるかが焦点となります。

　ビッグモーター　和泉伸二新社長：「本日のヒアリング内容に関してはコメントは控えさせていただきます」

　その和泉社長、25日、すべての社員にメールを送り、こんな指示を出しました。
　　
　和泉社長が全社員に送ったメール：「改革の第一弾としてまず全店のLINEの使用をすべて止めることにします。会社支給携帯に入っているLINEのアカウント削除をしてください」

　ビッグモーターでは社内の連絡ツールとして使用されていたLINE。元従業員らによると、上司から指示や伝達の他、目標達成のためのプレッシャーを掛けたり、つるし上げたりする場ともなっていたということです。

　ビッグモーター　和泉伸二新社長：「聞けば100個くらいのグループLINEが作成されているということで、まずいったん即止めようと、そういう縛るのは止めようと」

　LINEでは今回の不正に関わる指示や不正を指南するようなことが行われていた可能性もあり、その証拠が消されることが懸念されています。

　ビッグモーター　和泉伸二新社長：「今後、色々調査していくなかで、LINEのなかでの色んな不正の確認だったり証拠になりうるものがあれば、そういう該当する社員は記録として残っているでしょうから必ず保存はしていると思いますので」「（Q.過去の履歴が出てきたことへの対策では？）全く違います」「（Q.隠そうという意思は？）ありません」

■「工場長の指示あった」隠蔽か

　そんななか、新たな問題が…。去年1月ごろ、内部告発によって不正が指摘された際、損保会社3社に調査報告をしたビッグモーターは「工場長から指示はあった」という従業員の証言を「指示はなかった」と改ざん。不正を隠蔽（いんぺい）していたことが分かりました。

　ビッグモーター　和泉伸二新社長：「驚いています。私も初めて知りまして、そこに関しましてはこれから調査をして参ります」「（Q.内容の書き換えはかなり上席者でないと指示は出せないのでは？）その可能性は高いと思います」

　この隠蔽を巡っては、損保ジャパンが不正の可能性を把握していたものの問題ないと判断していたことも分かり、不正を見抜けなかった責任を問う声が上がっています。

■除草剤まいた“環境整備”疑惑拡大

　そんななか、25日の会見で質問が相次いだのが、店舗前の街路樹が無い、ということについてでした。

　ビッグモーター　和泉伸二新社長：「ちょっと甘い認識で除草剤をまいてしまって。かれこれ10年ぐらい前の話だと思う」

　ビッグモーターには、副社長ら幹部が各店舗を視察し、掃除などの管理をチェックする「環境整備点検」があり、そのなかには「店舗前の歩道10メートルと展示場、敷地内には雑草がなく、掃き清められているか」という項目があります。

　名古屋市内の店舗の前では、2019年に2本の木が枯れていたのを市の土木事務所が発見、伐採したといいます。ビッグモーターとの関連は分からないとしています。環境整備点検など、2018年頃から経営を取り仕切っていたのは前社長の息子で、前副社長の兼重宏一氏だったといいます。

　ビッグモーター　元従業員：「副社長が出てきてから過度のノルマなど徹底されたり、環境整備の項目が30項目以上増やされたり」

　取材を進めると、息子で前副社長の宏一氏が従業員らを盲従させていた実態がみえてきました。

■「指示は絶対」前副社長とは…