「避難を呼び掛けに行った」土砂崩れで市議が犠牲に…北陸も襲った『線状降水帯』(2023年7月13日)
梅雨末期の不安定な大気が、13日も各地に大雨の被害をもたらしています。
朝から激しい雨に見舞われた、鳥取市青谷では、1時間の雨量が72.0ミリと観測史上最大を更新。市内では、記録的短時間大雨情報も発表されました。
後藤龍彦記者:「鳥取市内を流れる清水川が、越水の恐れがあるということで、国交省や県の排水ポンプ車が出てきて、排水の準備に追われています。近くの住民にも避難指示が出ています」
別のエリアでは、近くの川が氾濫したのか、濁流が道路を覆ってしまいました。
北海道にも、激しい雨が降り注ぎました。美幌町では1時間の雨量が93.0ミリと、ここでも観測史上最大を更新です。
荒木俊光記者:「美幌町の田中川です。川が氾濫し、住宅まで水が押し寄せています」
町の職員が駆け付け、急ピッチで土のうが積み上げられました。
住民:「午後2時ぐらいから、川を見ていたら、だんだんあふれてきて。20分ぐらいしたら、あっという間に家の前まで水が来た。(Q.ここまで近付いたことは)初めてです」
突然の雨は、四国でも。
たい焼き店代表:「冷たい風が吹いてきて、結構雨降りそうだなと思ったら、急に降ってきた。風・雨・雷がすごくなってきて。車両の前にのぼりを立ててたが、それも倒れたり。最近多いです、そういうことが」
12日夜に、線状降水帯が発生した北陸。富山県内では非常に激しい雨が降りました。南砺市では、土砂崩れに住宅が押しつぶされ、市議会議員の赤池伸彦さん(65)が巻き込まれたとみられます。警察の話では、赤池さんは、集落にある川が氾濫の怖れがあるということで、周囲の住民に避難するよう呼び掛けていました。
自治会長の鳥越さん(67)は、赤池さんと一緒に回っていたといいます。
鳥越知証さん:「(Q.避難を呼び掛けに来ていた)そうです。私と最初、一緒に行動を共にして(午前)1時半ぐらいには、雨のなか一緒に。向こうの家に家族3人がいて、そこに連絡が取れなかったもので。水がもう張ってしまっている状態で、歩いていけるような状況ではなかったので、市の対策本部に連絡入れて、何らかの形で避難誘導できるように、依頼しながら色々行動しとったんですけど。結果的に赤池議員が先に1人で」
その後、赤池さんの行方が分からなくなったということです。
鳥越知証さん:「(Q.責任感が強い方だった)そうです。地域のリーダーとして、PTA活動・消防団関係など、地域の要職全部こなして、地域のリーダーとして活躍。大変、貴重な人なんです」
赤池議員を知る人:「フットワークの軽い方。なんでも『わかった』って感じで、積極的に行動。大変、信頼も厚かったし、地区でもやっぱり大切な人」
連絡の取れない3人は、すでに自主避難していました。近くで土砂崩れが起きたのは、午前2時過ぎ。それから、約11時間経った午後1時過ぎ、赤池さんは、がれきの中から見つかりましたが、すでに亡くなっていました。
鳥越知証さん:「(Q.意識はなかった)そのような言い方でした。もう考えられないような…何とも言いようがないです」
小矢部市では、土砂崩れで道路が寸断されていました。取材中、汗だくで歩く女性と出会いました。
女性:「自分(の家は)もっと先のところなんですけれど、コンビニに歩いて行こうとしたら通れなくて、戻って来ました。あっちはもう全然通れなくて。(Q.全然通れない)全然ダメですね。大きな木が倒れて、孤島になっています。全くどこにも抜け道がなくて(道が)全部崩れて、歩いて来ました」
集落のさらに奥には、徒歩でしか行き来できない地区がありました。
女性:「家からは(徒歩で)1時間くらい。(Q.すでに1時間歩いて。あとどれくらい歩く)ここからは2キロ…。(Q.食料は大丈夫そう)もう2~3日くらいなら。ただ、冷蔵庫とかも停電になっていて」
自宅は停電していて、携帯電話もつながらないといいます。20世帯ほどの地区ですが、ほとんどが高齢者だといいます。
女性:「また(雨が)降ってくると、避難って言われるけど、出られない状態。(避難しようにも)できない状態。結局、ここから出られないので。(復旧を)今日中にと言っても、次々とあるので分からないと言われて。(Q.求めるものは)“孤立状態”がすごく不安なんですよ。あと携帯電話の電波」
14日は、梅雨前線が北陸付近をゆっくり北上。前線付近では激しい雨に警戒が必要です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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