奈良地裁で一時騒然…“危険物”届き山上被告の公判前整理手続きが急きょ中止 威力業務妨害視野に捜査
12日午前、奈良地方裁判所で爆発の恐れがある危険物が見つかり、現場は一時、騒然となりました。奈良地裁では午後から予定されていた山上徹也被告(42)の公判前整理手続きが急きょ中止になりました。
警察官
「危ないので下がって下さい。みなさんの命を守るために下がって下さい!危険ですので!」
牧野天稀記者
「奈良地裁では不審物が発見されたということで職員らが外に退避しています」
警察によりますと、この日午前、奈良地裁で爆発の恐れがある危険物が見つかり、中にいる裁判所の職員を外に避難させる騒ぎとなりました。
もともと奈良地裁では昨年、安倍元首相を銃撃したとして、殺人罪などで起訴された山上徹也被告の1回目の公判前整理手続きが午後3時から予定されていて山上被告本人も出席する意向を示していました。
しかし、事態を受けて急きょ中止に。奈良地裁はこの日の期日を取り消すと発表しました。そして危険物の発見から約3時間後…。
牧野記者
「危険物とみられるものを乗せた爆発物処理車が今、出てきました。付近の道路を通行止めにして大きなサイレンを鳴らしながら通行していきます」
警察によりますと、見つかった危険物は粘着テープで梱包された段ボール箱で、大きさは縦約33センチ、横約28センチ、高さ約26センチ。午前11時15分ごろ、奈良地裁に配達されたということです。裁判所の職員が金属探知機で調べたところ、箱の中から金属の反応があったことから警察に通報したということです。
警察は段ボール箱を回収し、送り主や中身の特定などを急ぐとともに威力業務妨害容疑を視野に捜査を進める方針です。
【中継:牧野天稀記者】
(Q.今日の警備体制は?)
今日は正面玄関しか使うことができないほか、後ろにある駐車場も使えません。正面玄関には、金属探知機が設置されるなど、かなり厳重な警備が敷かれていました。山上被告への襲撃を警戒して、このような厳重な警戒が敷かれていたとみられますが、そんな中で不審物が届いたということです。
(Q.危険物はどのようなもの?)
このような段ボールが届いたということです。大きさは縦が33センチ、横が28センチ、高さが26センチでガムテープで梱包されていたということです。配達されたときに金属探知機にかけたところ金属反応が出たため、職員が警察に通報したということです。
(Q.中身は?)
中身は現在わかっていません。
(Q.ほかの裁判への影響は?)
危険物が届いたことで、職員は全員外に退避しました。その影響で予定されていた裁判は全て中止になりました。
(Q.山上被告の裁判への影響は?)
山上被告の裁判は裁判員裁判で行われます。裁判員裁判の場合は、公判前整理手続きといって、検察、裁判官、弁護側が争点や取り扱う証拠について話し合いを行い、裁判をスムーズに進める手続きが行われます。この手続きに被告人本人が出席することはかなり異例なのですが、今回は山上被告自ら出席の意向を示したということです。山上被告は「全て裁判で話す」としているように、自身の裁判への関心が非常に高く、今日も影響で出席の意向を示していました。今回、中止になったということで、今後のスケジュールは全て白紙になりました。初公判がいつになるかも見えない状況です。
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