【解説】ピーク超えた?三回目接種は?東京新規感染者AI予測

【解説】ピーク超えた?三回目接種は?東京新規感染者AI予測

【解説】ピーク超えた?三回目接種は?東京新規感染者AI予測

東京都の新型コロナウイルス感染者数は、14日までに6日連続で前の週の同じ曜日を下回っています。「ピークを越えた」との声もある中、AIによる最新予測が出ましたので、詳しく解説します。

■重症者増加も…まん延防止等重点措置“解除の動き” 

14日、全国で6万142人の新型コロナ感染者が確認されました。 先週7日は6万8714人だったので、感染者は減っていますが、一日に報告されている死者数は148人と、先週7日の113人よりも増えています。

こうした中、「まん延防止等重点措置」はどうなるのでしょうか。

21道府県が20日に、「まん延防止等重点措置」の期限を迎えます。複数の政府関係者によると、沖縄は「感染状況の改善がみられるため、解除する方向で検討を進めている」ということです。

一方で、静岡・京都・大阪・兵庫は延長する方向で調整していて、「延長幅は3週間を軸に検討している」といいます。

そして残りの自治体ですが、ある政府関係者は、山形・島根・岡山・山口・佐賀・大分の6県は「解除も視野に慎重に検討している」と話しています。

一方、北海道・青森・福島・茨城・栃木・石川・長野・広島・福岡・鹿児島の10道県は「基本的に延長する方向だ」と話しています。

感染者が減り、「まん延防止等重点措置を解除しよう」という動きがある中、重症者は増え続けています。

厚生労働省によると、14日時点の全国の重症者数は前日から10人増えて1403人でした。1400人を超えたのは去年9月20日以来の約5か月ぶりで、今年最多となっています。

重症者について、政府分科会の尾身茂会長は14日の衆院予算委員会で、次のように話しました。

政府分科会 尾身茂会長
「仮にですね、多くの県がピークアウトしたとしても、しばらく重症者数――これはもう皆さんご承知のように遅れて出てきますので、『今の状態は重症化数の増加というものは、ここしばらく続くのではないか』と私は思っています」。

■東京都の新規陽性者「3月末には6000人を下回る」AI予測

今後、感染者はどのように推移していくのでしょうか。AIの分析による最新データが出ました。

内閣官房のシミュレーションプロジェクトメンバーの名古屋工業大学・平田晃正教授が、人流やSNSの投稿などを踏まえ、東京都の新規陽性者をAIで予測したものです。

今月3日時点の予測では、3月末でも感染者が1万人を超えている予測でした。15日発表された最新の今月10日時点の予測は、3月末には「6000人を下回る」としています。

平田教授によると、「3回目のワクチン接種が進み、人流が戻らない場合」と想定することで、「6000人を下回る」との予測になったということです。東京の感染者はピークを越えたように見えますが、「今後の状況次第では、感染者数が高止まりする可能性もある」と話しています。

■3回目接種を終えた人“10.3%” 政府「一日100万回接種」目標も

首相官邸によると、15日公表された新型コロナウイルスワクチン接種の状況について、3回目接種を終えた人は約1303万人と、全体の10.3%でした。

政府は「一日100万回の接種」を目標として掲げていますが、先週公表された数字は、8日が約82.9万回、9日が約84.6回、10日が約83万回、11日から14日が約196.1回でした。

そして、15日公表された数字では、14日から15日にかけて約110万回だったとしています。ただ、政府関係者は、「自治体が3連休の分をまとめて入力したため、増えた可能性もある」としています。

■接種券まだ届いていない人も…自治体の工夫とは

こうした中、3回目のワクチン接種を進めるため工夫している自治体もあります。

兵庫・神戸市では2つの工夫を行っています。1つ目は「接種券なし」接種で、今月5日から28日まで実施しています。

2回目の接種から6か月以上たっていて、打ちたいけど接種券がまだ届いていない人がいますので、この期間を接種券なしで打てる1日2000人分の枠を設けました。既に1万6000件ぐらいの予約が入っているということです。

2つ目は、「おまかせ予約チケット」です。

神戸市の接種券には「おまかせ予約チケット」がもれなく付いてきます。神戸市に予約日時をおまかせしたい人は、連絡先を記入し封筒に入れて返信するだけで、市が予約結果を知らせてくれます。「接種を急がないけれども、ネット予約が面倒、苦手」という人にはありがたいサービスです。

神戸市の担当者によると、「予約を1か所に集中させず、分散させるメリットもある」ということです。

■3回目接種終えた人“約9%”にとどまる…東京・大田区の取り組み

東京・大田区では先週11日と12日、区内の学校に臨時の大規模接種会場を設置し、2日間で8162人の区民に接種したといいます。大田区内にある専門学校の広いアリーナを接種会場にしました。

大田区で3回目接種を終えた人は、14日時点で約9%にとどまっています。区の担当者によると、「複数の小さな会場でやるよりも、大きな会場で接種を行った方が効率がいい」ということです。

ただ、区民への接種を前倒ししたくても、区の施設の予定が埋まっていて、できない事情もあるそうです。

まずは民間の施設を活用し、今月22日から区内にある企業の体育館を使って一日830人分、来月は専門学校のアリーナを活用して3月19日から5日間で2万人分の接種を行う予定だということです。4月からは、区の産業施設で一日最大2800人規模の接種を行う予定もあるということです。

     ◇

自治体による工夫の事例は、紹介した以外にもたくさんあります。地域の事情に合わせてスムーズに予約できるようにしているところもありますので、こうした情報もぜひ活用してみるのもいいかもしれません。
(2022年2月15日午後4時半ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

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