輸血拒否は“事実上の強制” 「エホバの証人」幹部信者が告発 元宗教2世は「命失いかねない経験を…」|TBS NEWS DIG
子供への輸血拒否など虐待の疑いが指摘されていた「エホバの証人」の“宗教2世”をめぐる問題。教団の現役幹部がJNNの取材に応じ、輸血の拒否は「事実上の強制」と証言しました。
■所持することが推奨されていた“輸血拒否カード”
エホバの証人 元「宗教2世」西村信一さん(46)
「事故にあって、『このまま気絶してしまうんじゃないか』という恐怖に駆られたときに、財布の中の“輸血拒否カード”を思い出しまして」
元“宗教2世”の西村信一さん。10年ほど前にバイクの事故にあった際、教義によって「命を失いかねない経験をした」と話します。
信者に所持することが推奨されていたという“輸血拒否カード”。事故で意識が遠のく中、誰にも見られぬよう力を振り絞りました。
エホバの証人 元「宗教2世」西村信一さん(46)
「片手しか動かなかったんですけど、片手で財布を出して、その中から“輸血拒否カード”を出した。こんなもの持ってるから手術できなくて死んでしまうのは本当に恐ろしい」
教団では1985年、交通事故にあった子供の輸血を信者の両親が拒否して、死亡する事例が発生しています。国は去年12月、子供に輸血を受けさせないことは、「虐待にあたる」とするガイドラインを公表しました。教団はどのような治療を選ぶかは“信者一人一人の判断”としていますが…
■「カード自体を作成しないという選択肢はなかった」幹部信者が証言
エホバの証人 幹部信者
「信者であればカード自体を作成しないという選択肢はなかった。事実上強制なんじゃないか」
今回、匿名を条件に教団の現役幹部の男性がJNNの取材に応じました。
エホバの証人 幹部信者
「『親として子供を血の誤用から守る』、2022年の3月に更新された」
教団内部のホームページには、今も“輸血拒否”を推奨する文書が掲載されていると明かします。
教団の内部文書
「子供のために輸血を拒否しなければなりません」
「輸血を認めてはいないということを書面に明記すべき」
エホバの証人 幹部信者
「輸血を受けたときに教団側からなされる制裁というものは依然として存在している。純粋に個人の選択だというふうに言えるのか」
西村さんらは先週、教団に虐待の防止など求める2万6000筆の署名を提出しました。
エホバの証人 元「宗教2世」西村信一さん(46)
「認めて謝罪して反省することなくしては無責任な指導というのは絶対終わらない。自分たちの教え方でその人の人生が大きく変わるという認識を持っていただけたら」
教団はJNNの取材に対し、文書は「地元の世話役が親をサポートするために作成されたもので、医療に関する決定を下すのは親です」としています。
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