“岸田首相襲撃”木村容疑者 昨年11月ごろから自宅で火薬製造 敗訴時期と重なり警察は関連を捜査
和歌山市で岸田首相が襲撃された事件で、再逮捕された24歳の男は昨年11月ごろから火薬を製造していたとみられることがわかりました。選挙制度に不満を持ち、国を相手に起こした裁判で負けた時期と重なり、警察が関連を調べています。
神田貴央記者「じっと前を見つめています」
火薬を無許可で製造したとして火薬類取締法違反の疑いで再逮捕された木村隆二容疑者。8日午後、身柄を検察庁に送られました。
和歌山市で先月、岸田首相の演説会場に爆発物が投げ込まれ、2人がけがをした事件。警察が木村容疑者の自宅の捜索で、金属製の筒や工具類とともに粉末を押収していましたが、鑑定の結果、「黒色火薬」の成分を含む火薬と判明。火薬は部屋から見つかったということです。
火薬を製造し始めたとされる時期は昨年11月ごろ。木村容疑者は、この年7月の参議院選挙に立候補できなかったことを受け、国に対し損害賠償を求める裁判を起こしましたが、11月に棄却されました。火薬の製造を始めた時期と重なることから、警察は関連を調べています。
今後の捜査の焦点はー。現場から押収された爆発物は2本。1本は爆発し、金属片が60メートル先のコンテナの壁から見つかりました。もう1本は現場に残され、ナットが外側に取り付けられていました。
警察はより罰則の重い殺人未遂容疑の適用も視野に、爆発物の威力や構造を特定し、殺意を立証したい考えですがー。
捜査関係者「黙秘しているから使用した爆発物の構造や内容物を確定するのも難しい」
専門家は黙秘に加え、筒が投げ込まれてから爆発するまで1分近くかかっていることが、岸田首相や周囲を狙った殺人未遂容疑での立件の壁になると指摘します。
近畿大学法学部 辻本典央教授「殺害するために投げ込んだのであればすぐに爆発するものでないと被害者が逃げてしまう。数秒経ってから爆発するものを投げ込んだのであれば殺害するための凶器と言えない可能性出てきます」
殺人未遂容疑の立証は容易ではない中、警察は慎重に捜査を進めています。
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