【首相演説に爆発物】警備態勢…専門家が指摘する2つの点

【首相演説に爆発物】警備態勢…専門家が指摘する2つの点

【首相演説に爆発物】警備態勢…専門家が指摘する2つの点

岸田首相が選挙応援の演説直前に“爆発物”が投げ込まれた事件。警備態勢はどうだったのか、また犯行に使われた爆発物とはどのようなものか、それぞれ警備と銃器に詳しい専門家に聞きました。

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事件当時、岸田首相の演説会場に集まった聴衆は約200人でした。警備態勢はどうだったのか、警視庁に20年以上在籍し、要人警護の経験が豊富な松丸俊彦さんに聞きました。

聴衆は簡単な仕切りで囲まれ、中に紛れていた木村隆二容疑者(24)は、岸田首相から10メートルほど離れた場所で爆発物を投げたとみられています。松丸さんが“気になった”と指摘するのは大きく2つについてです。

1つ目は「私服警戒員」についてです。

松丸俊彦さん
「『私服警戒員』という人たちがいます。動画を見る限り、容疑者の前にいました。この人は自分の横と前を警戒していた」

松丸さんによると、木村容疑者の前方にいる男性が「私服警戒員」だといいます。

――理想の形は

松丸俊彦さん
「(私服警戒員)1人で見るのは厳しい…スーツの私服警戒員、5人ほどが望ましい」

――スーツを着ていることで聴衆も警察がいるとわかる?

松丸俊彦さん
「そうですね」

さらに、その死角をついて不法行為をしようとする人物を見つけるために、“カジュアルな格好をした私服警戒員も必要”だといいます。しかし。

松丸俊彦さん
「動画を見る限り、カジュアルな警戒員が見当たらない。いなかったか、少し遠い、距離があるところに配置されていたか、いずれにしても数が少なかったか(と思う)」

――何人の警護になる?

松丸俊彦さん
「スーツとカジュアルな警戒員、8~10人が望ましい」

松丸さんが指摘するもう1つの点は、今回のような行動を防ぐための「チェックポイント」についてです。

松丸俊彦さん
「去年7月の安倍元首相銃撃事件で、不審者に近くまで接近されて銃撃を受けた。今回も、不審者に危険なものを中に持ち込まれて投げ込まれた」

それを防ぐための「チェックポイント」について、次のように指摘しました。

松丸俊彦さん
「例えば、会場の入り口に制服警察官が金属探知機、ハンディー式のものを持って立ちます。ここに来る聴衆は例外なくそのチェックポイントを通ってもらうと」

その重要性は実際、事件後に岸田首相が行った応援演説でも確認できます。警察官が聴衆に「ペットボトルをお持ちの方はポケットにしまうか、バッグの中にしまってください」などと呼びかけている様子が見られ、手荷物検査や金属探知機による検査など厳戒態勢が敷かれました。

――抑止力につながる?

松丸俊彦さん
「そうですね。物理的なチェックができる他に(犯行を)諦める可能性も高くなりますし、100%とは言えないがより安全に警戒力を高めるのが望ましい形」

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次に注目するのは、犯行に使われた爆弾についてです。木村容疑者が自作したとみられます。銃器に詳しい専門家に聞きました。

銃器評論家 津田哲也氏
「これは『パイプ爆弾』だと。正規の品物・製品では出回っているものではないので、大概自作の密造品であるのがほぼ100%です」

金属製の筒の中に火薬を入れ、密閉させて爆発させる“パイプ爆弾”だと推測しています。さらに、投げ込まれて約50秒後に爆発したことから、“時限発火式の可能性”も指摘します。

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安倍元首相銃撃事件から1年もたたない中、現職首相を狙ったとみられる事件が起きました。

17日夜、長野・軽井沢町のG7外相会合の会場周辺では、日が落ちた後も警戒が強化されていました。神奈川県警など県外の警察も応援に入り、目を光らせていました。
(2023年4月17日放送「news zero」より)

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