【ママは警察官!】刑事も時短勤務!サポート制度で変わる仕事と子育て『every.特集』
警視庁 三鷹警察署の紀村江利子巡査部長33歳。殺人事件や強盗、性犯罪など凶悪犯罪を担当する刑事だ。捜査していたのは、子どもに対する強制わいせつ事件。子どもが狙われた事件に紀村さんは「より一層メラメラ…絶対に許せない気持ちになる」と話す。
午後4時15分、仕事を終え子どものお迎えに向かう。5歳と2歳の子どものお母さんである紀村さん。子育てのため時短勤務をしている。ただ、この働き方はこれまでの刑事の世界では考えられないものだ。刑事と言えば、昼夜を問わず捜査にあたるのが当たり前。出産や育児を機に刑事の仕事を諦める女性も多かったという。
そこで警視庁・刑事部が“これでは優秀な人材が減ってしまう”と7年前から独自に始めたのが、『刑事組織犯罪対策警察職員サポート制度』通称『けいさぽ制度』。 時短勤務の刑事を帰りやすくしたり、育休などで刑事が足りなくなれば人を充てたりするなど、子育て中の刑事の働く環境を整えようというもの。
午後6時。まだ遊びたい娘をなだめお風呂へ。お風呂から上がると消防士の夫・哲司さんに子どもたちを任せ、とりかかったのは夕食作り。帰宅してから約2時間動きっぱなしだった紀村さんがやっと座ることができたのは、夕食のできた午後7時だった。
それでも紀村さんにとって子どもは元気の源。「ものすごくニコニコになる」と話す。上司は、母であることが事件の被害者と接する際に強みにもなるという。「高齢者の方とか女性あるいはお子さんもほっとした表情になって心の内まで聴取してくれるので迅速な捜査につなげることができる」
一方、去年6月に念願の鑑識担当の刑事になった、練馬警察署の水野麗奈巡査長35歳。水野さんも警視庁・刑事部のサポート制度「けいさぽ」を利用する1人だ。時短勤務にもかかわらず帰る時間を忘れてしまうこともあるそうで、周りが声をかけてくれるので助かっているという。
また、水野さんには、8日に1度、翌朝9時までの“泊まり勤務”も。
水野さん
「息子に寂しい思いをさせてるなっていうのはあるけどその分、仕事を頑張ろうと思いながらやっている」
“泊まり勤務”は、刑事としての経験をより多く積もうと自ら希望したものだという。その間、子どもの面倒をみているのは夫の将光さん。実は、将光さんも現役の刑事。警察署は別だが、夫婦でけいさぽ制度を利用し同じ日に泊まり勤務にならないよう調整している。
ともに刑事の2人。夫には「一度の警察人生、夢を諦めないでほしい」との思いが。「子どもの見本となれるような刑事になるよう、毎日仕事と家事の両立を目指して頑張っている」と水野さんは話している。
(2023年4月10日放送「news every.」より)
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