【2024年問題】荷物3割届かなくなる!? 再配達でも業者悲鳴「報酬変わらない」(2023年4月3日)

【2024年問題】荷物3割届かなくなる!? 再配達でも業者悲鳴「報酬変わらない」(2023年4月3日)

【2024年問題】荷物3割届かなくなる!? 再配達でも業者悲鳴「報酬変わらない」(2023年4月3日)

4月は再配達の削減に向けた取り組みを集中的に行う国のPR月間です。
番組が宅配事業者を密着取材したところ、国が公表したデータ以上に、再配達がドライバーを苦しめている実態が見えてきました。

▽1軒目から…「再配達」にドライバー悲鳴
(デリバリーサービス 益子宗久さん)「一日500件の再配達が入っております」
ここに置かれた荷物のほとんどが再配達。扱う荷物のおよそ2割から3割が再配達になるといいます。
「お客様にご連絡したのちに配送にお伺いします」
電話の大半は、客からの再配達の連絡。パソコン画面には、この日依頼があった再配達のスケジュールがずらりと並びます。東京・府中市にある運送会社。新年度を迎え、繁忙期に当たるこの時期、再配達が大きな負担になっていました。
(デリバリーサービス 牧野晴也取締役)「デメリットだけしかないですね再配達は。ドライバーさんの労働時間も増しますし、経費もガソリン代も含めて。1度で配送が完了しても、3度同じお客さんの所に行っても報酬は全く変わらないです」
当然、荷物を届けるドライバーにも大きく影響します。この日は朝一番に訪れたお宅で…
(デリバリーサービス 志村佳祐さん)「いらっしゃらなかったです。1軒目からとは思わなかったです」
昼間に比べ、午前中は在宅率が高いというものの不在。こうした再配達の荷物が増えると…
「走っちゃって大丈夫ですか?」
「どうぞ!どうぞ!」
「どこまで走るんだ」
短時間でより多くの荷物を届けようと走って移動します。しかし、全力で走った甲斐もむなしく…
(デリバリーサービス 志村佳祐さん)「ご不在ですね」
Q. 走っていったんですけどね…
「ですね」
Q. こういうこともたまにありますか?
「たまにありますね。走らないと間に合わないので、基本的に僕はダッシュですね」
一日何十件にも及ぶ不在通知書を書くだけでも大幅な時間ロスになるのだそうです。中には、こんな客も…
(デリバリーサービス 志村佳祐さん)「(再配達の)連絡も何も来ないパターンがあったりもするので、その場合は荷主さんの方に返品するしかなくなってしまうので、そこも結構時間も使ってますかね」
この日の取材では、18件中、5件が不在。再配達率はおよそ3割でした。

▽荷物3割が届かなくなる?「2024年問題」
一方、再配達と共に運送会社の大きな負担となるのが1年後に迫るこの問題です。
(岸田文雄 総理大臣)「何も対策を講じなければ、物流が停滞しかねないという、いわゆる“2024年問題”に直面しております」
これまでトラックドライバーは、時間外労働の上限はありませんでしたが、来年4月から年間960時間に制限されます。
政府の推計では、何も対策をしなかった場合、2030年にはおよそ34%輸送能力が不足、9億トン相当の荷物が運べない恐れがあるとしています。2024年問題の解決に向け、既に動き出している企業も…
宅配便を届けにやってきたドライバー。スマートフォンを操作しながら、ドアの前に立つと…なぜかオートロックは解除され、中へ。実はこちら…
(アマゾンジャパン 河合麻衣子さん)「配送ドライバーが荷物を持ってマンションにやってきたときに、配送アプリ上にオートロック解除のボタンが表示される仕組み。」
このシステム、ネット通販大手のアマゾンが2年前から導入しています。アマゾンでは、宅配便をスムーズに受け取る為、置き配を推奨していますが、ある事がネックになっていました。
(配達員 佐藤匠さん)「オートロックマンションでは、基本的には在宅時でないと(玄関前に)置けないので、不在の場合は置いていけない。」
特にマンションでは「玄関前への置き配指定」が多いと言いますが、オートロックがそれを妨げていたのです。配達の障壁は他にも…
(アマゾンジャパン 河合麻衣子さん)「宅配ロッカーがないマンションもありますし、ロッカーがあってもすぐにいっぱいになってしまって、そうするとやはり再配達になってしまう」
こうした課題を解消する為、システムを導入。再配達が8割以上も削減されたそうです。

一方、戸建てでは、再配達削減への取り組みがあまり進んでいないのが現状です。宅配ボックスメーカーの調査によると、戸建てで「宅配ボックスがある」と答えた割合は26.6%。マンションの62.2%に比べ、半分にも満たないのです。そこでこちらの大手住宅メーカーが開発したのが…
(大和ハウス工業 住宅事業本部 舘智徳さん)「インターホンとメール便対応ポスト、スマホで開けることができる宅配ボックスになります。」
今月、発売されたばかりのこの商品。1番の特徴が…
(若月愛実ディレクター)「今、インターホンの通知がスマートフォンに来ました。宅配の業者さんにメッセージが選べるようになっています。」
外出先でも、スマホを使って応答が可能。さらに、いくつかのメッセージから希望の受け取り方を選択すると…
(音声)「配達ありがとうございます。宅配ボックスに入れてください」
配達員にも、同じ自動メッセージが流れるのです。テレワーク中に手が離せないなど、自宅で使うことも想定。さらに、近年多発しているこんな問題にも対応しています。
(大和ハウス工業 住宅事業本部 舘智徳さん)「宅配業者を装ったような犯罪も増えているので、防犯とか見守りという部分でも、非常に役立つかなと思います」
玄関先の様子は、インターホンに搭載された防犯カメラで24時間365日録画されていて、配達員の様子をいつでも確認することができます。
(大和ハウス工業 住宅事業本部 舘智徳さん)「セキュリティの強化+再配達というのが防げることで、社会課題の解決の一助になっているのかなと。」

4月2日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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