保津川の観光船転覆 後続船の客証言「パニック状態」行方不明の船頭の捜索続く 国の運輸安全委が調査

保津川の観光船転覆 後続船の客証言「パニック状態」行方不明の船頭の捜索続く 国の運輸安全委が調査

保津川の観光船転覆 後続船の客証言「パニック状態」行方不明の船頭の捜索続く 国の運輸安全委が調査

 28日、京都府亀岡市の保津川で観光船が転覆し、船頭1人が死亡した事故で、警察と消防は行方不明になっている別の船頭1人の捜索を続けています。

 古井林太郎記者「こちらが転覆した船です。船の先の部分が大きく破損しているのがわかります」

 船は、運航する組合が昨夜のうちに下流の嵐山の船着き場で引き揚げ、亀岡市の乗船場まで運んだということです。事故で、船頭の40歳の男性が流され行方不明になっていて、警察と消防は朝から捜索にあたっています。

 船が転覆したのは、大きくカーブした「大高瀬」という激流ポイント。上空からの映像を見てみると、周囲を岩場に囲まれた場所で、白波を立てて川が流れているのがわかります。

 これは、その大高瀬を下る際の映像。岩場スレスレのところを大きく揺れながら進んでいるのがわかります。

 事故が起きたのは28日午前11時ごろ。子ども3人を含む25人と船頭4人が乗る船が転覆しました。全員が救命胴衣を着用していて、乗客は救助されましたが、船頭の田中三郎さん(51)が死亡しました。亡くなった田中さんは船頭歴18年。ほかの3人も経験を積んだ船頭だったといいます。

 28日の水位は、通常よりは高いものの運航を取りやめる基準の85センチを下回る69センチでした。では、なぜ事故は起きたのでしょうか。

 船の後ろで舵を取っていた船頭が操作を誤り、川に落ち、別の船頭が舵を取ろうとするものの間に合わず、岩にぶつかり転覆したということです。

 28日、運航する組合は、船の模型と衝突した岩に見立てたものを使って、当時の状況を説明しました。

 豊田知八代・保津川遊船企業組合代表理事
「(本来なら)ここから水をぐいーっと」
「(Q:正常にこげている?)はい」
「(Q:空かじのときは?)空かじは(操作が)まったく利かない。空振りしてはまってしまう。(船頭が)バンと落ちて、通るときに(岩に)当たって。(川の)流れに押されて水が押してくる。だんだん水かさが上がって、このまま(転覆)することがありえる」

 操作ミスで転覆した可能性があるといいます。

 事故があった船の30分後の便に乗り、現場を見た人はー。

 後続船に乗った観光客「船の残骸とか『助けてください』という声で異変に気付いた。(事故に遭った人は)全員ずぶ濡れでどうしたらいいかわからないパニック状態。私が乗っていた船に看護師の方がいて、衰弱した女性の方を介抱していた」

 午後2時半ごろには、国の運輸安全委員会の調査官と警察が到着し、船の破損状況を確認するなどして事故の原因を調べています。

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