「急流のところで操船のミス」保津川下りで舟が転覆 船頭1人死亡 乗客は全員無事(2023年3月28日)
京都の「保津川下り」で観光客を乗せた舟が転覆し、船頭の男性1人が死亡しました。
多くの客でにぎわう観光スポットで事故がおきました。3月28日午前11時半ごろ、京都府亀岡市と京都の観光地・嵐山を結ぶ「保津川下り」で、「舟が一隻座礁した。けが人が1人いる」と運営会社から消防に通報がありました。
消防によりますと、舟には船頭や客など計29人が乗っていたということです。流された船頭1人が救出されたものの、その後病院で死亡が確認されたということです。乗っていた客25人は全員、無事が確認されたということです。
座礁した舟の2つ後ろの舟に乗っていた人に話を聞きました。
(座礁した舟より後の舟の乗客)
「泣かれていたり、落ち着いている人もいれば結構パニックになっている人もいた。(Q心臓マッサージは?)されていましたね。(Q川の流れは?)僕らも初めてだったので…そんな『はやいな』とは思わなかったですけどね」
28日に保津川下りを予約していたという人たちは…。
(東京から来た人)
「チェックインしようと思ったら運航中止になっていた。電話をかけてみたら、中止になったということで。理由をおっしゃらなかったので、風が強いからかなと思っていたんですけど。もしかしたら乗っていたのかもしれないということを考えたら、中止は残念だったんですけど、乗っていたよりはいいんじゃないと思って諦めるしかない」
(アメリカから来た人)
「保津川下りは多くの観光客が訪れていたし、とてもきれいだと言っていた。何が起こったのかわからないので少し怖いです。警察が橋の下を見ていました。皆さんショックを受けているように見えました」
保津川下りの運営会社は28日午後3時ごろ、取材に応じました。
(保津川遊船企業組合 豊田知八代表理事)
「皆さん、この度はご心配とご迷惑をおかけして申し訳ございません。きょう10時40分に出港した舟が約15分後、大高瀬という急流のところで、から舵と言いますが、操船のミスがありまして、舵を持っていた船頭が舟の外に落ちてしまった。あと3人船頭が乗っていて、体勢を立て直したのですが、急流を出たところの渦で少し左へ舟が曲がりまして、左側にある石に正面から当たったと聞いております。お客さまの安否については、皆さんを集めて1人ずつ確認したところ、皆さまおられる。けが、打撲されている方もおられるということで、その対応をするようにと指示をしております」
MBSが3月12日に保津川下りを取材したときの映像では、乗客らは急流のスリルと渓谷の美しい景色を楽しんでいました。約2時間のコースとなっていて、桜も楽しめる春の観光シーズンは多くの観光客でにぎわうはずでした。
舟が座礁した現場は流れの激しい上流付近とみられ、警察・消防・運営会社による捜索が続いています。
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