【東京2万人超】救急ひっ迫「ほぼ毎日満床」……コロナ拡大で“逆転現象”も 「コロナか、一般か」医療最前線の苦心

【東京2万人超】救急ひっ迫「ほぼ毎日満床」……コロナ拡大で“逆転現象”も 「コロナか、一般か」医療最前線の苦心

【東京2万人超】救急ひっ迫「ほぼ毎日満床」……コロナ拡大で“逆転現象”も 「コロナか、一般か」医療最前線の苦心

東京都は新型コロナウイルスの感染急増により、コロナ以外の病床もひっ迫したことを受け、コロナ病床の一部を救急向けに転用できるようにしました。また緊急事態宣言の要請について、重症者の定義を広げるなどした新基準を策定。最前線の医師に、現状を聞きました。

■コロナ増床で…「救急」にしわ寄せ]
有働由美子キャスター
「東京の新たな(新型コロナウイルスの)感染者は2万679人でした。病床使用率は53.1%で、つい『コロナが大変だ』と目が奪われがちですが、いったん増やしたコロナの病床を他の対応に回させる、逆のお願いをしています」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「東京都は1月、都内の病院にコロナ病床の確保を最大まで引き上げるように依頼しましたが、そのしわ寄せで、コロナ以外の病床がひっ迫。救急患者の受け入れにも影響が出てしまいました」

「そこで、約150の救急病院に対し、救急用の病床を1つ増やすことを要請し、コロナ病床の2割を一時的に、救急患者用に使えるようにしました」

■「コロナ」「コロナ以外」のバランスは?
有働キャスター
「最前線で治療に当たっている、昭和大学病院の相良博典院長に伺います。病院では、コロナ以外の一般救急はどのような状況でしょうか?」

相良院長
「われわれの病院では救急の病床は13床あります。ほぼ毎日満床状態で、残念ながらお断りするケースも出てきているのが現状です。救急診療に関しては、来院した患者さんがコロナに感染しているか分からない状況が出てきています」

「検査してから、後からコロナだったというケースも多くあります。感染している前提で防護服を着て処置をするので、医療スタッフの負担も非常に(大きく)かかってきます。ただ、いつでもすぐ受け入れる体制をつくっておかないといけないので、厳しい状況です」

有働キャスター
「コロナと、コロナ以外の対応のバランスを取る難しさは、どうでしょうか?」

相良院長
「一般の人を受け入れると、コロナの患者さんを断らないといけないケースは出てきますし、逆にコロナの患者さんを受け入れると一般の方を断らなければいけないケースもあります。いわゆる逆転現象です」

「一般の診療、つまり救急を受け入れるべきか、コロナの患者さんを受け入れていくのか。その運用は厳しく、難しいと思います」
■宣言要請、東京「新指標」どう見る?
有働キャスター
「東京都による、コロナの新しい指標について考えます。2日時点での都の重症用の病床使用率は15.1%でした。これはオミクロン株の特性を踏まえ、従来の重症者の定義を3日から広げた数字です。入院患者に占める、酸素投与が必要な割合は8%でした」

「このどちらかが3~4割に増えた上で、新たな感染者数の7日間平均が2万4000人になったら、都は緊急事態宣言の要請を判断するという、新しい指標が示されました。この判断についてはいかがですか?」

相良院長
「患者さんを診た時に、中等症以下の患者さんと重症の患者さんだと、医療スタッフの負担が全然違います。重症者数がどれだけ増えてきているのか、病床の増加も重要ですが、重症のベッドがどれだけ占めているのかを、総合的に考えていくことが重要です」

「重症者が増えると、より多くの人的資源が必要です。中等・軽症なら1人でも十分対応できると思いますが、重症で、特にECMO(エクモ、体外式膜型人工肺)が必要な患者さんには10人近くを要します。10倍違う。都の判断基準は一定の評価ができると思います」
■高齢患者の入院増…「重症化」は?
有働キャスター
「気になるグラフもあります。入院患者が年代別でどれほどの割合を占めているか、東京都モニタリング会議で示されました。60代以上の幅が急激に広がっていて、(1月下旬には)6割を占めています。入院する高齢者が増えると、重症化の懸念も増すと思われます」

相良院長
「高齢者は重症化リスクの因子の1つですし、注意が必要です。今の傾向として、コロナ感染の重症化というより、コロナに感染して基礎疾患が重症化してきているケースが多く見られます」

「現在入院中の患者さんは3分の1が高齢者で、3人が重症です。基礎疾患が悪化して重症化するケースがほとんどです。これから感染者が増えると家庭内感染が増え、高齢者や基礎疾患のある方の感染が広がると、より重症者が出る可能性があり、注意が必要です」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「大きな流れとしては、コロナへの対応ももちろん大事ですが、コロナ以外の病気やけがの人も含めて、本当にリスクがある人を守ることになるなら、基準が変わるのは良いことだなと思います」
■3回目接種後の「日常」どうなる?
廣瀬さん
「基礎疾患がない若い人にとって、重症化しないとなればワクチン3回目接種へのモチベーションをつくるのが、少し難しいのかなと思います」

「2回目接種後はワクチン検査パッケージなど日常生活に戻れる期待もありましたが、3回目接種後にどんな暮らしが待っているのかということを、どうお考えでしょうか?」

相良院長
「ワクチン接種の2回目または3回目をどう考えるかですが、2回目と3回目の接種を比較すると、3回目の接種をした方が感染は抑えられているというデータが多く出ています」

「1つ問題なのは、若い方でも2回接種して感染している方が非常に多くいらっしゃることです。3回目の接種は重要ではないかなと思います」

「注意しておかなければいけないのは、3回接種しても感染する方がいらっしゃることです。基本的な感染対策をしっかり継続していかなければならないと思います。制限のない生活に戻るのがどうなのかに関しては、もう少し時間がかかるのかなと考えています」
有働キャスター
「政府は3回目接種後の社会を、どう考えているのでしょうか?」

小栗委員   
「ある政府関係者は『経済の回復も考えていかないといけない。例えばGoToトラベルやGoToイートの再開、国の財政が傷んでいるので金融政策など、経済をV字回復させる措置について、仲間とアイデア出しをしている』と話しています」

「ただ、新たな変異株のことなどもあり、岸田首相は慎重姿勢といいます」
(2022年2月3日放送『news zero』より)

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