【全人代開幕へ】習近平政権がねじ伏せた香港…言論封殺で民主派“風前のともしび”

【全人代開幕へ】習近平政権がねじ伏せた香港…言論封殺で民主派“風前のともしび”

【全人代開幕へ】習近平政権がねじ伏せた香港…言論封殺で民主派“風前のともしび”

中国で5日、国会にあたる全人代=全国人民代表大会が開幕します。3期目をむかえる習近平主席は香港の安定した統治を自らの成果として強調していますが、現地を取材すると、力でねじ伏せ異論を排除する実態がみえてきました。

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コロナ禍を乗り越え、かつてのにぎわいを取り戻しつつあるように見える香港。しかし、社会にはある変化が起きていました。

香港政府は、街中のさまざまな広告スペースに香港が中国の一部であることが強調されているような看板を設置。この数年間で、中国共産党による支配が一段と強まっています。

3年前、警察とデモ隊が衝突しました。コロナ前の2019年。一国二制度によって保障されてきた“自由”が中国によって失われていく、その危機感から連日、抗議活動が行われました。

しかし、その後、習近平政権は最高刑が終身刑の「香港国家安全維持法」を施行。抗議の声を徹底的におさえ込む姿勢を示しました。日本語で、デモへの支持を訴えていた周庭さんなど、民主活動家が次々と逮捕され街の空気は一変しました。周庭さんは、刑期を終えて出所してから2年以上たちましたが、いまだに発信はひかえています。

かつて、100万人規模のデモが行われ、抗議する市民で埋め尽くされた通りは、いま穏やかな日常の光景に。

習近平国家主席(22年6月)
「香港は苦難を経て再び蘇り強い生命力を表した」

デモに関わった人の多くが口を閉ざす中、3年前のデモに参加した男性が取材に応じてくれました。

デモに参加した男性
「市民はまだ怒りを持っているけれど、国安法でおさえつけられ、言いたいことは言えない。いまは黙って我慢し、次のチャンスを待つしかないのです。メディアのインタビューを受けるだけでも、誰かが通報したら、扇動罪に問われるかもしれません」

香港の民主派が“風前のともしび”となる一方で、中国への依存度はますます増しています。香港では先月、中国本土との往来が3年ぶりに再開され、“爆買い”が復活。

中国人客
「全部さっき買ったもの。これは化粧水。だいたい100万円使いました」

香港の店主
「中国政府にはたくさんの人が来るようにしてほしい。それで香港経済も良くなります」

中国政府は今後、香港と中国本土・深センなどの経済を一体化させる方針を示しています。香港を飲み込んでいく中国。異例の3期目をスタートさせる習近平政権は、どこへ向かうのでしょうか。
(2023年3月4日放送「news every.」より)

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