【ミャンマー】軍事クーデターから2年…広がる閉塞感 若者の一部に「薬物」まん延も
ミャンマーで軍事クーデターが起きてから2月1日で2年です。軍と民主派の戦闘が泥沼化する中、電力事情の悪化で停電が続くなど、生活に影を落としています。市民の間に閉そく感が広がり、一部の若者たちの間では「薬物」がまん延。国外に逃れようとする若者も後を絶ちません。
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ミャンマーの国境地帯。クーデターに反対する若者たちは、今も軍と激しい戦闘を続けています。一方、最大都市ヤンゴンの車通りはクーデターの直後より戻ってきた印象も。市場にはたくさんの食材が並び、都市部では日常が戻りつつあるように見えます。
しかし、世界銀行によると、ミャンマーでは経済の落ち込みで、貧困ライン以下で暮らす人が2017年(24.8%)から1割以上増え、全人口の約4割に達しているということです。
鶏肉店の店員
「客は3分の2に減った。みんな、お金がないのだと思う」
さらに、市民生活に影を落としているのが、電力事情の悪化による停電です。毎日4時間ほど停電が続く地区もあるといいます。幹線道路では信号機も停電し、商店が立ち並ぶエリアでは至る所で発電機が使われていました。
店のオーナーは、「少しイライラします。電気が止まると(発電機の)ガソリンを買いに行くので、その分、仕事が増えます」と話すなど、市民の間に閉そく感が広がっています。
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民主化への道筋が見えない中、抑圧された環境は若者たちを追い詰めています。
かつて抗議デモに参加していた25歳の女性が見せてくれたのは、カラフルな照明が輝くナイトクラブの映像です。1年あまり前、友人に誘われて、初めて訪れた時のものだといいます。
女性(25)
「たくさんのテーブルにパイプや皿を置いて、堂々とドラッグをやっている人たちがいたんです」
話の途中、彼女が突然バッグから取り出したのは、黄色いプラスチック製のパイプ。彼女も薬物を常習するようになっていました。若者の一部でまん延しているのは通称“K”。幻覚作用のある「ケタミン」です。
女性(25)
「ここ(ナイトクラブ)は、ヤンゴンで楽しめる唯一の場所です。私たちはどこへ行っても自由ではありませんから」
無法地帯となっているナイトクラブですが、当局は見て見ぬふりをしているといいます。また、国連薬物犯罪事務所(=UNODC)によると、ミャンマーでは去年、麻薬の原料となるケシの栽培面積が3割以上増えたとの報告もあります。
“黙認”の理由について、別の20歳の女性は「(軍事政権は)若者が政治に興味を持たないよう、注意をそらそうとしています」と話しました。
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混迷が深まるミャンマー。国外に逃れようとする若者も後を絶ちません。
29日、ヤンゴンにあるアパートの一室を訪ねると、肩を寄せ合って座る女性たちの姿がありました。国外で職を得るために、英語の勉強をしているのです。地方から出てきた20歳から35歳までの女性9人が、共同生活をしています。パスポートが発行されたら、一刻も早く国外に出るためです。
出国を目指す女性(20)
「母と祖母の体調があまりよくありません。もし、お金があれば2人の治療ができます。稼げるなら“悪い仕事”(売春)以外、何でもやります」
クーデターから2月1日で2年。混迷からの出口はいまだ見えません。
(2023年1月31日放送「news every. 」より)
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