【解説】行政措置で約9割は防げる…“面識なし”“関係不明”のストーカー被害 SNSの普及で増加傾向 迷わず「#9110」に相談を|TBS NEWS DIG

【解説】行政措置で約9割は防げる…“面識なし”“関係不明”のストーカー被害 SNSの普及で増加傾向 迷わず「#9110」に相談を|TBS NEWS DIG

【解説】行政措置で約9割は防げる…“面識なし”“関係不明”のストーカー被害 SNSの普及で増加傾向 迷わず「#9110」に相談を|TBS NEWS DIG

JR博多駅前の路上で男が元交際相手の女性を刃物で刺し殺害した事件。2人の関係性や容疑者の素顔などが見えてきました。多くのストーカー事案があるなかで最悪のケースをいかにして防ぐことができるのでしょうか。

■容疑者は飲食店の同僚 知人からは「すぐ怒りだす」「アルコール中毒」

井上貴博キャスター:
今わかっていることをまとめます。

逮捕に至った経緯について…
1月18日 午前:事件現場近くの繁華街「中洲」で、1人で歩く寺内進容疑者(31)を、顔写真を記憶して探す「見当たり捜査員」が発見、尾行を続ける。
同日 午後11時半ごろ:800mほど追跡し、古門戸町という隣町で職務質問し、任意同行。その後、殺人容疑で逮捕。
発見時の寺内容疑者は、刃物を所持し、顔を隠すように、だてメガネをかけ、フードをかぶっていたということです。

1月16日の事件当時について…
事件発生直前、事件現場から約90m離れた防犯カメラの映像に、寺内容疑者とみられる人物と、被害者の川野美樹さんとみられる人物が、捉えられていました。寺内容疑者とみられる人物が、後ろをついて行っているようにも見える。
そして事件発生直後、同じ防犯カメラに逆方向に戻っていくような容疑者とみられる人物の映像が映っていました。

事件前の2人について…
殺害された川野さんと逮捕された寺内容疑者は、飲食店の系列店で働いていた同僚。川野さんの親族によると2人は1年ほど交際していたようです。
2022年10月以降、川野さんは「別れを告げたのに、何回も電話がかかってきて、職場で待ち伏せされている」と複数の警察署に相談。
福岡県警は川野さんに引っ越すことをすすめながら、携帯型の「緊急通報装置」を貸し出しました。
11月には寺内容疑者に対し、ストーカー規制法に基づく「禁止命令」を出しています。
福岡県警は1月18日の会見で「今回警察がとった措置については法に基づき適切に対応したと考えている」と話している。

寺内容疑者とはどんな人物か…
容疑者の知人「気性が荒くすぐに怒りだす。情緒不安定なところがあった」
容疑者の知人「アルコール中毒じゃないかというくらい、お酒が入っていない“しらふ”の時に接点がない。悪酔いしだしたら、ちょっと暴力的な言葉遣いになる」

■現行法では限界…アメリカでは“GPS” “更生プログラム”強制するところも

萩谷麻衣子 弁護士:
ストーカーに関して、刑事的な処罰で解決することの限界、困難というものをすごく感じる。警察は10月末に川野さんから相談を受けて、11月に「禁止命令」を出していますが、通常、「禁止命令」を取るのに2か月ぐらいかかることもあるので、1か月ぐらいで出したのは、緊急で早く出したという印象がある。
被害者側が生活環境を変えなきゃいけないというのは本当に不合理ですが、警察としては今の法律のたてつけの中では、あなたが逃げなさい、避難しなさい、と指示したのは不当ではなく、適切だったとは思います。

ホラン千秋キャスター:
「禁止命令」に関して、出されたことに逆上するみたいな例もあるんですか?

萩谷 弁護士:
あります。LINEなどの返信をしないことで逆上する人もいますし、警察に相談したということに逆上することもある。相手の性格を見ながら慎重に進めていく必要があると思います。

井上キャスター:
本来は被害者に転居を求める前に、加害者に転居を求めるべきで、加害者にGPSを持たせるべき。加害者の人権が優先されていないかと感じてしまうところがある。

萩谷 弁護士:
アメリカでは州によって、禁止命令を出すのと同時に、GPSの装置命令を出したり、あるいは更生プログラムの受講命令を出したりすることもある。
GPSの装置に関しては、議論しなきゃいけないと思いますが、私は禁止命令と同時に、更生プログラムの受講命令、あるいは治療の受診命令を出せるような法律のたてつけにしたらどうかと思います。処罰では限界があって、ストーカーをする人の行動変容や意識変容をさせなきゃいけない。

■あなたのSNS投稿から住所を割り出すストーカー… 警察への相談で9割は防げる

井上キャスター:
警察庁のストーカー事案の相談件数は、ずっと高止まりしている。2010年代に入って年間2万件前後。1日55件くらい相談が寄せられている。ただ、これは氷山の一角と言われています。
最近増えてきているのは、面識のない、関係不明な人物からのストーキング。これが2021年の相談件数1万9728件のうち3728件、18.9%に増えてきています。
これはSNSが普及して、知らない人間からSNSを見られてターゲットにされてしまっているということ。

元 埼玉県警捜査一課刑事 佐々木成三 氏
「SNSの写真などから自宅などの住所が特定されストーカー被害に発展するケースも」

SNSでの写真投稿の注意点について…
・学校の制服を着て写る→学校を特定されて登下校で尾行される恐れ
・電柱や表札などの住所表示などの写りこみ→自宅の住所が特定される恐れ
・コメントにも要注意→例えば「“きょうは学校が立記…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230119-6062899)

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