【米・首席医療顧問】退任を前に日本の新型コロナ感染対策を“評価”
アメリカ政府の新型コロナウイルス対策の指揮を執ってきたファウチ首席医療顧問が15日、NNNの単独インタビューに応じ、感染対策について「アメリカの深刻さと比べれば、日本はうまくいっている」と述べました。
バイデン政権で首席医療顧問を務めるファウチ氏は、レーガン政権以降38年にわたって、大統領への助言を続けてきた感染対策の権威です。今月の退任を前にNNNの取材に対し、日本の対応を評価しました。
米・首席医療顧問ファウチ氏「日本の感染状況の数字を見ると、非常によくやっていると思う。アメリカの感染状況の深刻さと比べれば、日本はうまくいっている」
一方でファウチ氏は、日本で屋外でのマスク着用が原則不要となっても、いわゆる群集心理によって外さない人が多いとされる現状について述べ、自主的な判断を促すための正確な情報提供が重要だと指摘しました。
米・首席医療顧問ファウチ氏「(群集心理は)良い勧告であれば有効に働く。なぜなら皆、同じことをするからだ。自ら判断してもらうために重要なのは、判断の根拠となる情報やデータを提供することだ」
またファウチ氏は、「アメリカの感染対策は成功しなかった」と反省も口にしました。その上で、トランプ政権で自らの助言が受け入れられず、誤った認識に基づく政策判断が続いたことを念頭に、政府には「科学に基づいた助言を行う専門家が必要だ」と教訓を語りました。
米・首席医療顧問ファウチ氏「偏見がなく、正しいデータと証拠に基づく、科学的な助言ができる専門家が政治の指導者の周りには必要だ」
またファウチ氏は、ゼロコロナ政策が一部で緩和された中国で感染者が増加していることについて、「安全な再開に向けた準備ができていなかった」「高齢者などへのワクチン接種が進んでいない」などと指摘しました。
(2022年12月16日放送)
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