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習氏の退陣求める声も…中国“ゼロコロナ”抗議全土に 習政権の今後は?記者中継(2022年11月28日)
今大会、サッカー・ワールドカップ出場を逃した中国ですが、4年に1度のサッカーの祭典は国民の大きな楽しみで、国営メディアも全試合を生中継しています。ただ、本来の国際映像では、マスクなしで熱狂する観客の様子が流れていますが、国営メディアは、それを別の映像に差し替えています。カタールで、ノーマスクで盛り上がる観客の映像は、市民を刺激しかねない。そのための配慮なのかもしれません。
中国で3年近く続けられているゼロコロナ政策。行動の自由を奪われた市民は我慢の限界です。積もり積もった不満は、表面化し始めました。
北京の繁華街の一画では27日夜、1000人規模とみられる市民が政府へ抗議の声を上げました。習近平国家主席の母校である清華大学でも抗議活動が行われました。たくさんの人が白い紙を持って抗議を続けました。この白い紙ですが、何かが書いてあるわけではありません。ネット上に上がる市民の不満が次々に削除されるなか“白紙であれば削除できないだろう”という皮肉が込められています。
市民:「私たちが言いたいことは、全部、検閲される。だから白紙しか使えない。(Q.あなたたちの要求と目的は何ですか)私たちに特別な要求はない。過剰なPCR検査をやめてほしい。今はゼロコロナ政策の変更を要求はしていません。毎日の検査や暴力的な圧力をやめてほしいだけ」
このように、ゼロコロナ政策そのものが悪いわけではないという主張も多く聞こえます。
市民:「飢え死にしたくない。自由がほしい」
このデモ隊の前に男性が現れました。北京市の公安トップです。
北京市の公安トップ:「私は北京公安局の人間です。あなたたちの言い分は全部、聞きましたから」
市民:「公安局の局長が、私たちの訴えを聞いてくれた。私たちは信じましょう」
北京市の抗議活動は、公安が市民を刺激しないように努めたこともあり、平和的に終わりました。
中国では各地で同様の声が上がりました。きっかけは、24日に起きた新疆ウイグル自治区で起きた集合住宅の火災。周辺地域がロックダウンされていたことが、消防の到着の遅れにつながり、10人が死亡することになったという批判が巻き起こったからです。
今回、中国各地で発生した政府への抗議。そのなかでも、ほかとは違う様相を呈していたのが上海です。物々しい警戒態勢が敷かれた上海市の中心部。ここで上げられた抗議の声は、ほかの地域とは異なるレベルでした。デモ隊の要求が、習主席の退陣にまで発展しました。当局にとって、見過ごすことのできない事態。拘束者も出ました。取材していたBBCの記者も、一時、拘束されました。上海当局は“記者をデモ隊のコロナから守るための拘束だ”と主張したそうです。
一夜明けても、上海の空気はピリついたままです。27日にデモがあった場所は、警察車両が止まっていて、道は封鎖されています。完全に地域が封鎖されているかの状態になっています。
ネット空間の警戒レベルも、一段階、上がったたようです。SNSでは、大規模な抗議活動の様子は拡散されておらず、言葉に規制がかかっているので、『上海』という言葉で検索しても、国営メディアや行政の発表文といったものしか出てこない状況だといいます。
◆冨坂範明中国総局長の報告です。
現場では白い紙が配られていて、身近な材料を使ったデモが全国に広がっています。デモの現場では、車で横を通るときにクラクションを鳴らして通っていきます。市民がデモ隊を応援しているといった雰囲気を感じました。北京のデモに参加していたのは、労働者階級といった人はあまりおらず、大学生や大学を卒業したばかりの、いわゆる知識階級の人が主だったと思います。彼らの要求は、ゼロコロナ政策の「理不尽さ」「不自由さ」を何とかしてほしいというもので、政権に対する直接的な不満は、あまり聞かれませんでした。一方、上海では、退陣要求にまでエスカレートしていることもあり、都市によって様相が違います。
私は、習近平政権の1期目も北京支局に在任していましたが、そのときから言論の自由に関する統制はかなり強くなっています。そこに3年間に及ぶ厳しいゼロコロナ政策の統制がさらに加わり、市民の不満はかなり高まっていると感じます。今回の抗議を受けて、習近平政権は、一部の封鎖を解くなどして、“ガス抜き”をする動きも広がっていますが、学生などの運動が、さらなる事態に発展しないよう警戒を高めています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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