【独自】「電磁波攻撃」「思考盗聴」 悪質探偵が精神疾患つけこみ1.3億の不正報酬 捜査関係者“氷山の一角”｜TBS NEWS DIG
精神疾患のある依頼者からの相談を受け、「電磁波攻撃をしている犯人を特定しましょう」などと調査を請け負って、契約料を不正に得たとして探偵会社社長の男らが逮捕されました。
記者
「安藤巨樹容疑者が、警視庁の捜査員に連行されていきます」
けさ、準詐欺の疑いで逮捕されたのは東京・渋谷区にある「あなたの街の探偵社」運営会社社長、安藤巨樹容疑者（49）。そして、元従業員の保谷直紀容疑者（35）です。
安藤容疑者と保谷容疑者はおととし5月、精神疾患のある男性（当時50代）から相談を受け、正常な判断ができない弱みにつけこんでおよそ74万円の契約料を不正に得た疑いが持たれています。
男性は、安藤容疑者らに「電磁波攻撃を受けている」と相談したといいますが、安藤容疑者らは…
安藤容疑者ら（精神疾患のある男性に対し）
「若干高めの数値が出ているので、誰かが故意に電磁波を出している可能性があります。犯人を特定しましょう」
さらに、警視庁は「あなたの街の探偵社」の沢田昂太容疑者（27）も逮捕しました。
沢田容疑者と安藤容疑者はおととし8月、精神疾患のある女性（50代）から「携帯電話がハッキングされている」という相談を受け、5万円の契約料を不正に得た疑いが持たれています。
探偵業者で作る団体の代表は、「職業倫理に反した行為だ」と指摘します。
一般社団法人探偵協会 戸塚敦士代表理事
「一番やってはいけない行為だと思う。メンタル的に（体調を）崩してるところに輪をかけて詐欺的行為を働くことは、探偵にあるまじき行為。電磁波（調査）とは一線を引いて、有意義な人生を送れるようサポートしていくべき」
これまで、この探偵社をめぐって寄せられた被害相談は3件ですが、警視庁は安藤容疑者らが精神疾患がある人を狙って合わせて215件の契約を結び、およそ1億3千万円を不正に得たとみています。
捜査関係者は警鐘を鳴らします。
警視庁・捜査関係者
「被害者は自分が被害を受けたことを認識していない可能性が高い。今回の事件は“氷山の一角”にすぎない」
警視庁は「あなたの街の探偵社」と同じような誘い文句で客を勧誘している複数の探偵業者を確認していて、「違反行為には厳正に対処する」としています。
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