【「餃子の王将」社長射殺事件】組員の男逮捕なぜ今？別の人物が犯行指示の可能性も │ 【気ままに】ニュース速報

【「餃子の王将」社長射殺事件】組員の男逮捕なぜ今？別の人物が犯行指示の可能性も

2013年、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さんが射殺された事件で、京都府警は28日、「特定危険指定暴力団」工藤会系の組員・田中幸雄容疑者を殺人などの疑いで逮捕しました。なぜ今、逮捕に至ったのでしょうか。
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28日午後11時ごろ、京都府警の会見が開かれました。

京都府警の会見
「本日、午後2時14分、田中幸雄（容疑者）、年齢56歳、発生当時は47歳、この男性1名を逮捕しました。引き続き捜査を推進し、被疑者の背後関係を含め、事実の究明にまい進して参る所存であります」

福岡県に拠点を置く「特定危険指定暴力団」工藤会系の組員・田中幸雄容疑者（56）を乗せた車が28日午後5時前、福岡刑務所を出発しました。くしくも28日が誕生日だった田中容疑者が殺人などの疑いで逮捕されました。被害者は、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの当時の社長・大東隆行さんです。

王将フードサービス　大東隆行社長（2010年・当時）
「創業当時からの理念言うんか、安くて、うまくて、早い。それをどんどん磨きをかける。自分の足元を強くする。ライバルは王将（自身）やと」

大東さんが凶弾に倒れてから、約9年が経過しました。

田中容疑者を乗せた車は、収監先の福岡刑務所から直線距離で約510キロの、捜査本部がある京都・山科警察署へ移送中で、29日明け方に到着する予定です。

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2013年12月、「大東さんが毎朝、掃除するのが日課だった」という京都市の本社前で事件は起きました。事件当日の午前5時40分ごろ、大東さんが運転していた黒いベンツとみられる車が、自宅近くに設置された防犯カメラに捉えられていました。この後、会社に向かい、到着直後に本社前の駐車場で腹や胸を拳銃で4発、至近距離で撃たれたとみられています。

持っていた10万円以上の現金は手つかずで、車の助手席やトランクにそれぞれ数十万円など車内に100万円以上が残されたままだったということです。

9年ほどの時を経て逮捕された田中容疑者は2008年、福岡市で大手ゼネコン「大林組」の社員らを狙って、乗用車を銃撃しました。その後、実刑判決を受けて、服役していました。

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なぜ今、逮捕に至ったのでしょうか。

警察が捜査を進めていたのは、現場近くで発見された“たばこの吸い殻”でした。実は、すでに2015年の時点で、田中容疑者のものと一致するDNA型を検出していたのです。

警察は他の人物が持ち込んだ可能性などを排除するため、たばこの燃焼状況の鑑定を実施し、「事件当時と同じ、雨で湿った地面で消された」との結果を得ました。

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なぜ、大東さんは狙われたのでしょうか。

2016年、第三者委員会が暴力団など反社会的勢力との関係を調査した結果、過去に高額で買い取った不動産物件を極端な安値で売却するなど、王将フードサービスの260億円にものぼる不適切な取引が判明しました。

大東さんは社長就任後、不適切な取引の解消に尽力し、2013年11月には社内調査の報告書が取締役会にも提出されましたが、その1か月後に射殺されたのです。暴力団組員の田中容疑者に、別の人物が犯行を指示した可能性もあります。

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事件から9年、王将フードサービスの渡邊直人社長は28日午後8時ごろ、「今まで随分ご協力・支援をいただきましたことを、この場をお借りし、心から厚く御礼を申し上げたいと思います」と述べました。
（2022年10月28日放送「news zero」より）