【総額39兆円】「総合経済対策」生活しやすくなる? 「国の財政悪化」リスク指摘も…
28日に取りまとめられる政府の「総合経済対策」は、総額約39兆円にのぼります。この支援策によって、どれだけ生活しやすくなるのでしょうか。一方、専門家は「国の財政が悪化し、さらに円安・物価高につながるリスク」と述べ、危機感を示しています。
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東京・墨田区の東京スカイツリーのお膝元、下町にある銭湯「押上温泉 大黒湯」を取材しました。大きな富士山が描かれたお風呂の一角にあるのが――
押上温泉大黒湯 店主・新保卓也さん
「この電気で、サウナを暖めています」
サウナブームで人気ですが、電気料金の高騰が負担になっています。
押上温泉大黒湯 店主・新保卓也さん
「(電気料金は去年より)月々10万円ぐらいは上がっています」
さらに、お湯を温めるガス料金のコストも昨年の約2倍に上昇しました。入浴料は自治体ごとに決められているため、利益を増やすにはサウナなどを値上げするほかありませんが、思いとどまっています。
押上温泉大黒湯 店主・新保卓也さん
「皆さんに日常で使っていただきたいので、なるべくこのままで行きたいと思ってます」
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28日に取りまとめられる政府の「総合経済対策」では、財政支出の規模は財政投融資をあわせて総額約39兆円にのぼります。
電気やガス、ガソリン代などの高騰に対し、標準的な家庭で2023年1月から9月までの総額で、一世帯あたり4万5000円程度の負担軽減策を導入します。
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こうした支援策を受ける一般家庭を取材しました。スタッフの知人で、都内に住む岩渕さん一家は夫婦と子ども3人の5人暮らしです。
都内在住5人暮らし 岩渕美穂さん
「スイミングの日はスイミングのタオルとか、サッカーとか、体操着とか。洗濯は、最低1日2回まわす形で」
キッチンは子供の安全面を考えてIHで、弁当を作る量も多いため、いろいろな調理家電も使っています。
都内在住5人暮らし 岩渕美穂さん
「(電気料金を)同じ8月・9月・10月の請求で見てみると、2万6000円。(2万円を)2か月連続で超えていますね」
今回の支援策では平均的な使用量の世帯の場合、電気料金が1か月あたり2000円から3000円程度、ガスは900円程度安くなる見通しです。
一方、今回の経済対策には、円安を生かした地域の「稼ぐ力」の回復・強化が盛り込まれました。輸出向けの商品開発や、販路拡大を行う中小企業を支援します。
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東京・渋谷区の中国料理「美虎」で行われていたのは、日本酒の試飲会です。日本酒の企画・販売に携わってい企業の人が、シェフに日本酒の瓶を見せながら、「ここに6種類あって、ここからこの味をもっとこうしたいとか…」と説明していました。彼らが進めているのは、海外のレストランなどへ風土や店に合わせたオーダーメードの日本酒を輸出する事業です。
今、海外で日本酒の人気が上がっています。今年1月から8月の輸出量は、前の年に比べて30%アップしています。円安も後押しとなる今が「チャンス」と捉えているのです。
中国料理「美虎」 オーナーシェフ 五十嵐美幸さん
「(中華料理は)うま味だったり香りだったりっていうものを、日常的にお料理に入っているので」
用意した日本酒からシェフが選んだのは、9年間熟成させた古酒です。うま味と甘みが高級中国酒に似ているからだといいます。
FERMENT8 取締役 樺沢敦さん
「『日本酒を飲んだことがない』っていうような料理人の方にも、触れていただく機会を増やしていければと」
この企業では「海外進出に全力で取り組めるよう、政府からの後押しに期待している」といいます。
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家庭や企業にとっては歓迎される、政府の経済対策。しかし、野村総合研究所の木内登英氏は「大型の経済対策により、国の財政が悪化し、さらに円安・物価高につながるという悪循環になるリスクがある」と危機感を示しています。
(2022年10月28日放送「news every.」より)
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