英・トラス首相 辞任表明 就任45日目「責任果たせない」…国民「もうめちゃくちゃ」(2022年10月21日)
イギリスのトラス首相が20日突如、辞任を表明しました。政権発足からわずか1カ月半。イギリス史上、最短の政権となりました。
■米大統領が英政策“異例の批判”も…
トラス首相：「現在の状況では、党首として任された責任を果たすことができないと感じました」
就任から45日目。記者団を前に、辞任する意向を表明しました。
イギリス国民：「もう、めちゃくちゃです。それしか言いようがない。最悪です」「もちろん彼女が辞任して不安定になるでしょうが、これ以上悪くなるとは思えません。安定させることが必要だと思いますが、リズ・トラスに安定を作り出すことはできません」
9月下旬に打ち出した大規模な減税政策で、イギリス通貨のポンドと、イギリス国債が急落し、金融市場が大混乱。今月14日、財務大臣を更迭し、目玉政策を次々撤回しました。
アメリカ・バイデン大統領：「（Q.イギリスで起きていることをどう見ている？）超富裕層に減税するという案…政策には反対ですが、その判断をするのは、イギリスであって、私ではありません」
同盟国アメリカの大統領が、イギリスの政策を批判するのは異例のことです。
■「私は戦士」強気の表情で続投意向も…
19日のイギリス議会では野党・労働党の党首が、トラス首相に詰め寄りました。
野党・労働党 スターマー党首：「所得税の減税が消えた。法人税の減税が消えた。2年間のエネルギー料金、上限保証が消えた。買い物の免税制度も消えた。経済の信頼性も消えた。最高の盟友とされる財務相も消えた。皆、消えた。なのになぜ、彼女はまだここにいるのでしょうか」
トラス首相：「議長！私は戦士であり、意気地なしではありません。私は経済の安定を確保するために、国益のために働いてきたのです」
強気の表情で、続投の意向を示していました。
■閣内からも批判 “求心力”見る影なく…
ところが、政権はすでに与党内から崩れ始めていました。
同じ日、「個人のメールアドレスで機密文書を送信した」として、ブレイバーマン内相が辞任。「政権は投票者に約束した主要公約を破った」と声明を出し、「政権の姿勢に懸念を抱いている」と、公然とトラス政権を批判しました。
元々、保守党内の基盤が弱かったトラス首相。求心力は、見る影もなくなっていました。
トラス首相：「来週内に党首選を行うことで合意しました。後任が決まるまで、首相としての職を務めていきます」
大混乱に陥ったイギリス政治。今後どうなってしまうのでしょうか。
（「グッド！モーニング」2022年10月21日放送分より）
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