60歳以上は3億人超…“老いる中国” 2021年の出生数は“建国以来最少” 習近平指導部も危機感か|TBS NEWS DIG
世界一、14億の人口を抱える中国ですが、来年はインドに抜かれる見込みで危機感が高まっています。中国で加速する少子高齢化の現状を取材しました。
中国の高齢者の間で、いま人気のサービスがあります。
介護スタッフ
「湯加減はいかがですか?」
利用者
「大丈夫です」
“日本式”の入浴介護です。中国では自宅に浴槽がない家が多く、入浴介護は一般的ではありません。
そのため、入浴介護が発達した日本ならではの心遣いやノウハウが高齢者の心をつかんでいるといいます。
利用者の妻
「『お風呂に入るよ』と言うと、とても喜びます。入浴サービスは夫の心と体にとても良いです」
介護サービスの需要が高まっている背景には、急速に進む高齢化があります。およそ3年後、中国の60歳以上の人口は3億人を超える見通しです。
高齢者をターゲットにした住宅の売れ行きも好調です。
パナソニック中国・北東アジア社 WST推進室 柳海清室長
「座ってシャワーが出来るので、体の負担が非常に少ないです」
足が不自由な人のための浴室や、トイレの際に自動で尿検査ができるなど、健康状態を常にモニタリングしてくれる設備もあります。
この地区には若いうちから住む人も。家族と共に去年から暮らす女性は老後に備え、家は買ったものの…
家族と共に住む女性(30代)
「お金は老後の基礎なので、計画を立てて資金を貯めていきたいです」
口にしたのは老後の不安です。
中国では全国的な介護保険制度が整備されていないため、介護サービスを利用できるのは富裕層に限られています。制度が整備されてこなかった背景には、伝統的に「子どもが親の世話をするのが当然」という考えが根強くあるためだといいます。
ただ、その世話をするはずの子どもの数は、「一人っ子政策」の影響もあり、急速に減っているのです。
2016年、中国政府は「一人っ子政策」を撤廃しましたが、少子化に歯止めはかからず、去年、中国の出生数は建国以来最少の1062万人となりました。
価値観の多様化により、子どもはいらないと考える人も増えています。
上海に住む会社員(32)
「仕事が忙しく、日々プレッシャーもあるので、子どもの世話をしていたら仕事がうまくいかなくなるのが心配です」
中国政府は3人目の出産に補助金を出すなど、対策に乗り出していますが、その効果は表れていません。
急速に進む少子高齢化は経済を押し下げる要因にもなるため、習近平指導部も危機感を抱いています。
中国 習近平国家主席
「出産支援政策体系を確立し、人口の高齢化への積極的対応という国家戦略を実施する」
世界でも例をみないスピードで進行する中国の少子高齢化。3期目が確実視されている習近平政権にとって重い課題となりそうです。
▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://ift.tt/NB9k4VI
▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1
▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://ift.tt/8JPmXru
▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://ift.tt/Sd4H09Z
コメントを書く