【密着】接客は?地図は?外国人タクシードライバーの奮闘記『news every.』16時特集

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【密着】接客は?地図は?外国人タクシードライバーの奮闘記『news every.』16時特集

東京都内を走る外国人タクシードライバー。東京・文京区に本社を置く日の丸交通では、27か国、70人以上の外国人が運転手として働いている。

ある外国人運転手は、「ドアを開けるまでどこまで行くかわかりませんのでワクワク感がありますよ」と話す。新型コロナの水際対策も緩和に向かい、海外から観光客の増加が見込まれる中、外国人運転手は大事な戦力。

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そんな中、涙の運転手デビューとなった47歳の日系ブラジル人ドライバーとデビューして1年3か月のフランス人ドライバーを取材した。

ブラジル出身47歳の日系二世の中崎吉五郎さんは、タクシー運転手になるための厳しい最終試験を3日後に控え、路上研修をしていた。教官も外国人。

先輩ドライバーのオーストリア出身、ルガー教官が、お客さん役となって、中崎さんにこう声をかける。「運転手さん、学士会館まで行きたいです」しかし…中崎さんは「学士会館」を「タクシー会館」と聞き間違え、なかなかナビに目的地を入力できない。結局、出発まで3分以上もかかってしまう。

中崎さんが来日したのは27年前。当時は、工場などで朝から晩まで働き詰めの毎日。本格的に日本語を勉強するヒマもなかったという。ただ、タクシー会社に入社し日誌などを書いていると、自分で考えて勉強することが増え、まるで学校に通っているようだとうれしそうに話す。

研修中、覚えた漢字をノートに書き出して勉強している。タクシー運転手になるために必要不可欠なのは、日本語と地図を覚えること。「地理は勉強したんだけど、まだ全部頭に入っていない」と休みの日は自らレンタカーを借りて都内を走り、必死に道を覚えている、という。

迎えた最終試験。この最終試験は日の丸交通が実施している会社独自のもの。運転手としてデビューするには、この最終試験に合格しなければならない。教官が同乗し、実際にお客さんを目的地まで送り届ける。

試験で重視されるのは、日本語での丁寧な接客と、安全運転ができているかどうか。ただ、初めてのお客さんを迎えた中崎さん、日本語での接客はなんとかクリアしたものの、肝心なメーターを2分もの間、入れ忘れ。1人目から大きなミス。はたして、ミスを挽回することはできるのか。

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一方、去年最終試験に合格し、現在、活躍中のフランス出身の29歳、アバディ・レオさんの
乗車中の様子を覗かせてもらうと…お客さんとの会話も、流ちょうな日本語で難なくこなしていた。アバディさんはタクシー運転手歴1年3か月。“日本人は優しい人が多い”と話す。

アバディさんが、来日したのは、7年前。日本で出会った、未来(みく)さんと結婚。子どもにも恵まれた。以前は、飲食店などで休みなく働いていたそうだが、 “家族との時間を作りたい”と決まった休みの取れるタクシードライバーになることを決意。

妻の未来さんの不安もよそに、「日本語で会話できて明るいから、それで大丈夫かもしれない」と日の丸交通に入社を決意。

自作の地図で、通りや交差点の名前を覚えたという。研修していたころを振り返ってアバディさんは…「電車の中でも会社でも帰りの電車でも家でも勉強。週末もカフェに行ってずっと勉強。10キロくらい痩せた」と話す。

そんな苦労も、ひとり息子のため。食事にお金をかけたくないと、仕事中は…常に手作りサンドイッチ。浮いたお金は貯金に回している。そんなアバディさんの夢は来耀人(らいと) くんを大学まで通わせること。子供の成長を見守りながら、タクシー運転手として自分も成長したいと話している。
(2022年10月12日放送「news every.」より)

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