【“統一教会”会見】献金基準「月収の10分の3超え」で記録へ 元2世信者「実効性に疑問」
「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”は4日、5度目の会見を開き、献金の改革指針として「月収の10分の3を超える献金は、家族の同意があるかなどを記録する」と発表しました。両親が1000万円以上の献金をしていたという元2世信者は、その基準には「実効性がない」と指摘します。
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いわゆる“統一教会”は4日午後2時ごろ、5度目の会見を開きました。教会改革推進本部の勅使河原秀行本部長は冒頭、信者やその家族へ謝罪しました。
世界平和統一家庭連合・教会改革推進本部 勅使河原秀行本部長
「ご本人様もしくはご家族様が国の相談窓口に相談せざるを得なかったということは、本当に申し訳なく思っております。心からおわび申し上げます」
9月22日に行われた会見では、勅使河原氏は「私の認識では、霊感商法は1件もないはずです。2009年以降は」と述べ、教団がコンプライアンス宣言をした2009年以降、霊感商法は1件もないと主張していました。
一方、消費者庁の調査によると、この10年、統一教会による霊感商法の相談が毎年寄せられています。
こうした消費者庁の調査に対し、勅使河原氏は4日の会見で、フリップを使って説明しました。2021年の相談件数に注目し、「(霊感商法の)相談の全体が1441件のうち、家庭連合に対する相談は27件ですから、ざっくり1.9%。ほとんどのものは当法人とは関係のないもの」と主張。“統一教会”に関する相談は極めて少ないと強調しました。
しかし消費者庁の調査によると、安倍元首相の銃撃事件があった2022年7月以降、霊感商法の相談は増えているのです。
さらに勅使河原氏は「2009年以降は霊感商法というよりは、いわゆる高額な献金を含む『献金』が問題となって相談される方がいらっしゃる」と述べ、相談はあくまで高額献金についてだと主張。そして、教団は献金の改革指針として、「月収の10分の3を一定の基準」とすることを発表しました。
世界平和統一家庭連合 教会改革推進本部 勅使河原秀行本部長
「(月収の)10分の3を超えると思われる献金をささげられる場合は、家族の同意があったのか、ないのか、こういう資金の性質を記録して、もし将来『返金してほしい』とか、そういう問題になった時に確認できるような受領証の発行を必ず行うようにしていく」
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両親が1000万円以上の献金をしていたという40代の元2世信者が、この教団の会見を聞いていました。
元2世信者
「個人的には、今までで一番腹が立った。『霊感商法』になると返金対応とか法律違反で事件になるから、献金という形に変換させたいんだろうなと…」
教団が「月収の10分の3」を献金基準とすることについては――
元2世信者
「熱心な信者だったときは明らかに献金しに行く。うちの両親もそうでしたし…実効性がないというか、機能しないんじゃないか」
また、会見で気になったという発言がありました。
世界平和統一家庭連合 教会改革推進本部 勅使河原秀行本部長
「『本来、(信者の)相談は教会とまず話す』というのが本来の筋だと思うんですけど。『そこと話しても駄目だ』と判断して、政府・国に行ってるんですね。私どもの方にもう一度ご相談いただければ、真摯(しんし)に向き合っていきたい」
教団側が「教会に相談を」と述べたことに対し、元2世信者は「直接、相談が教団に来るようにして、“被害隠し”をしようとしてるようにしか見えなかったですね。僕は“統一教会”自体に自浄作用は期待できないと思っているので、法改正をしていくしかないと思うんですよね」と話しました。
(2022年10月4日放送「news zero」より)
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