電気代のさらなる値上げ「限界大きく超えている」影響は企業に、家庭に、自治体に…政府は新制度創設【家計クライシス】

電気代のさらなる値上げ「限界大きく超えている」影響は企業に、家庭に、自治体に…政府は新制度創設【家計クライシス】｜TBS NEWS DIG

家計を直撃するニュースをお伝えする「家計クライシス」。きょうは、電気代のさらなる値上げです。岸田総理は先ほど、今後、高騰が見込まれる電気代の激変緩和を目的とした新たな制度を創設するとと表明しました。

子どもたちに人気の生物園。電気代のさらなる値上がりに頭を悩ませています。

足立区生物園八下田誠副園長
「水槽や空調の効いているエリアは、電気を使っている。リクガメは、暖かいところの生き物なので、暖房が常にかかっています」

こちらは、常に暖房を30度に設定。園の直近の電気代は、すでに1年前から4割値上がり。さらに…

東京電力エナジーパートナー秋本展秀社長
「一層のご負担をお願いするということは、非常に当社としても大変心苦しい決断でございました」

東京電力は今月、法人向け料金を事実上値上げすると発表。来年4月から最大14%の値上げになる見通しです。

足立区生物園八下田誠副園長
「冷暖房ですとか生き物のための電気は、削れない部分が当然あるので、電気代以外の部分をやりくりすることが増える」

値上げの波は「家庭」にも…

中国電力瀧本夏彦社長
「昨今の価格高騰による影響は桁違いで、企業努力で対応できる限界を大きく超えてしまっている」

大手電力会社10社の家庭向けの電気料金（規制料金）では、すでに上限に達していますが、中国電力はさらなる値上げ策を検討すると表明。北海道電力も家庭向けの「自由料金」の上限を12月から撤廃すると発表、値上げになります。

北海道電力契約者
「冬の電気代の問題は大変。暖房費値上がりはきつい」
「去年（の電気代）プラスアルファで、2000～3000円でおさまってほしい。おさまらないんじゃない？」

一方、混乱は自治体でも…

記者
「茨城県東海村の図書館です。東海村では、こうした公共施設の電気代が大きく値上がりしてしまったといいます」

茨城県東海村が契約していたのは、いわゆる「新電力」です。

東海村山田修村長
「全然、想定していませんでしたね」

村が契約していた「新電力」が3月に倒産。別の電力会社と契約すると、1億3000万円以上の追加予算を計上する必要に迫られました。

東海村山田修村長
「税金を使うことになりますので、間接的には、住民の皆さんの負担にも一部なる」

2016年の電力の小売り自由化で参入した“新電力”は、調達価格が高騰し採算が取れず、この1年でおよそ100社が撤退しているのです。

企業も家庭も自治体も頭を悩ませる電気代の高騰に岸田総理は先ほど…

岸田総理
「激変緩和を目的とした新たな制度を創設し、国民生活とコストアップの転嫁が困難な企業の活動を守っていく決意をいたしました」

10月下旬に新たな制度をとりまとめると明らかにしました。

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