【ロシアの現状】市内各所に「志願兵募集」の巨大広告 ウラジオストク
ロシアのプーチン大統領が東方経済フォーラムで演説し、「ロシアは孤立していない」と強気の姿勢を示しました。こうした中、ウクライナ侵攻と経済制裁により、かつて日本人観光客でにぎわった街は様変わりしていました。
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“日本から一番近いヨーロッパ”と呼ばれているロシア極東のウラジオストクは、直行便であれば日本から約2時間半で到着します。シベリア鉄道の起点となる駅の他、教会や劇場など歴史的な建物も数多く、かつては日本の観光客が大勢訪れていました。
しかし、ウクライナ侵攻の影響で、日本などから観光客が減り、土産物店の店員は「景気はかんばしくない」と嘆きます。
――観光客は来る?
ウラジオストクの土産物店
「(ロシアの)国内客は来るが、外国からは来ない。ウラジオの帽子は人気だけど、買うのはロシア人。以前は、韓国と日本の客でした」
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そのウラジオストクで開催されているのが、「東方経済フォーラム」です。極東地域への投資を呼び込む、プーチン大統領肝いりのイベントです。
ロシア プーチン大統領(ロシア・ウラジオストク、日本時間6日午後3時すぎ)
「西側諸国の経済制裁は、病気のように攻撃的である。何人たりとも、ロシアを孤立させることはできない。不可能なことだ」
プーチン大統領は欧米の経済制裁を強く非難する一方、「効果はない」と強気の姿勢を崩しませんでした。
東方経済フォーラムはかつて、日本やインドなど各国首脳も出席する一大イベントでした。2019年には安倍元首相も出席し、「ここにこそ、私たちみんなの無限の可能性があるのです」と述べていました。
しかし、今年はウクライナ侵攻を受けて、日本は代表団を派遣せず、会場を訪れた首脳もごくわずかでした。
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こうした中、市内各所で目立ったのが「志願兵募集」の巨大な広告です。市役所前にも、志願兵の契約ができるテントがありました。チラシには「軍に入り祖国を防衛せよ」と書かれていました。
毎月の給料は20万5000ルーブル、日本円で約50万円です。ロシアの平均月収の約3倍となる額で、ほぼ同額の契約金も支給されます。ウクライナ侵攻が長期化する中、遠く6500キロ以上離れたウラジオストクでも、志願兵の募集に力を入れていました。
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さらに、この街で目立ったのが、日本の中古車です。今、日本の中古車が人気を集めていて、日本語のステッカーが貼られたままの車両も売られていました。
ロシアでは欧米の制裁で、高級車の輸入が軒並みストップしています。日本もロシアへの輸出を制限していますが、600万円以下の車は対象外となっているため、中古の日本車に人気が集中しているというのです。
さらに、折からの円安で割安となり――
ロシア人中古車業者
「日本円の為替レートが下がって、手ごろな価格になったので、より多くの中古車を輸入できるようになった」
港にある税関の立体駐車場も満杯となり、貨物船は、日本の中古車を降ろせない状態でした。
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ロシア プーチン大統領(ロシア・ウラジオストク、日本時間6日午後3時すぎ)
「ロシアは何も失っていない。これからも失うことはないだろう」
プーチン大統領は依然、強気の姿勢ですが、終わりの見えないウクライナ侵攻はロシア国内に確実に変化をもたらしています。
(2022年9月7日放送)
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