「入国・帰国のＰＣＲ検査」条件付きで免除…インバウンド復活の兆しに観光業界も期待（2022年8月24日）

「入国・帰国のＰＣＲ検査」条件付きで免除…インバウンド復活の兆しに観光業界も期待（2022年8月24日）

８月２４日、岸田文雄総理は現在の水際対策について、９月７日から日本への入国や帰国時に求めている７２時間以内のＰＣＲ検査についてワクチンの３回接種を条件に免除すると表明しました。

　空の玄関口である関西国際空港。今年６月に観光客の受け入れが再開され、関空の今年１月～６月の国際線の利用者は２６万人と、前年の同じ時期に比べて約２．２倍となりました。しかし、その数はコロナ禍前の２０１９年と比べるとまだ２％ほどです。今回の表明について利用者に聞いてみると…

　（利用客）
　「もうちょっと早くなくなってもよかったんじゃないかなと思います」
　「旅行しやすくなっていいなと思います。いま円安も進んでいて、観光のためにもなるのかなと思いますね」
　「（Ｑどちらから？）ウズベキスタンからです。そっち（検査なし）の方が簡単になるかなって思います。いま日本だけ（検査が厳しいと）聞くじゃないですか」
　「いまは日本にコロナがいっぱいあるから（検査は）大切だと思います」

　訪日観光客の必需品であるｗｉｆｉのレンタルサービスを行う「ビジョン」では、海外観光客の受け入れに向けて準備が進められています。

　（ビジョン　古根川友也さん）
　「規制が緩和されることに対してインバウンドの復活に非常に期待しております。言語対応なども含めて、いまから新スタッフを雇用して準備しております」

　外国人観光客に人気の京都。今回の緩和にインバウンド復活への期待が広がります。市内にあるホテル「京都プラザホテル」では、６月の受け入れ開始以降、外国人観光客の予約はほとんど入っておらず、部屋の予約はコロナ前の同じ時期の５割程度にとどまっているということで、予約が増えるのを心待ちにしているといいます。

　（京都プラザホテル本館・新館　清水洋平支配人）
　「（現在入国が）厳しい条件ですので、やはりワクチンやそういったところで（外国人の）お客さまが来やすくなると感じております」

　修学旅行生などで国内の観光客の客足は戻っているという嵐山。屋形船「嵐山通船」では、新型コロナウイルスの流行前は客の７割以上が外国人観光客だったということで喜びを隠せません。

　（嵐山通船　小島義伸代表取締役）
　「（水際対策が）緩和されると思うんですけど、新しくアメリカの方のツアーが毎日のように入ってきていますのですごく助かりますね」

　一方、外国人向けの送迎や観光バス事業などを行う大阪の日本城タクシー。コロナ禍で業績が悪化する中、雇用を守るために大型バス３台を売却したり、中古の軽トラックを購入して荷物の輸送などを行ったりしていました。

　さらに、去年からは全くの別業態であるベビーカステラの専門店を始めたのです。社長を筆頭に運転業務がほぼなくなったドライバーたちでカステラを焼きます。その売り上げは１日のタクシー１台分に匹敵するまでになりました。

　あれから９か月。社長の坂本篤紀さんに現状を聞くと…

　（日本城タクシー　坂本篤紀社長）
　「割と（予約が）入ってきだして。バスもようやくね。予約が入りだしたのは７月くらいからかな」

　去年８月は０件だった大型バスの予約も、今年は外国人観光客の予約で徐々に埋まっていると言います。また、航空便が増えた結果、航空会社のクルーの送迎などの仕事も入りました。

　（日本城タクシー　坂本篤紀社長）
　「どうにかこうにか潰れんとおったなと思って。勝者なき戦いかな、『勝った』ちゃうねん、『残った』って」

　従業員を守ったからこそ、急な予約にも人員が不足することなく対応ができているといいます。今回の水際対策の緩和も、もちろん大歓迎なのかと思いきや…

　（日本城タクシー　坂本篤紀社長）
　「（感染の）拡大局面で緩和するのが怖いかなと思うだけで。商売的にはいいけど、それが（感染が）とことん拡がったら商売にならないよね。中国の情勢を見ていたら、向こうは『ゼロコロナ』やから日本が感染拡大しているときに来るかなとは思うよね」

　今回の緩和でインバウンドは復活するのでしょうか。

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