「安倍氏の国葬」の差し止めなどを求め市民団体が提訴 “全額国費の支出”に反発(2022年8月19日)
今年9月に行われる安倍晋三元総理の国葬について、8月19日、市民団体が差し止めなどを求めて大阪地裁に訴えを起こしました。
7月8日、凶弾に倒れた安倍元総理。国葬は9月27日の実施が閣議決定されていて、アメリカのカマラ・ハリス副大統領などが出席する方向で調整しているということです。国葬の費用は全額、国が負担。つまり税金で賄われますが、これについて、8月19日、市民団体のメンバーが国葬の閣議決定の取り消しや費用支出の差し止めなどを求め、訴えを起こしました。市民団体側は、安倍元総理の国葬に関して「亡くなった人物を一方的に公権力により崇めさせる行為で、憲法で定められた思想・良心の自由を侵害している」などとしています。
(安倍『国葬』やめろ!実行委員会 岩田薫共同代表)
「国民の半分以上が国葬に対して疑問を持っているという世論調査が出ている中で、その予算を一方的に閣議だけで(税金の)使い道を決めてしまったのはおかしい」
1967年に行われた吉田茂元総理の国葬は、戦後初めての国葬で、皇族を含む約6000人が参列しました。
(佐藤榮作総理※当時)
「あなたはまさしく歴史が生んだ偉大なる政治家であります」
その後、1975年に亡くなった佐藤榮作元総理の葬儀は、政府・自民党・国民有志が共同で費用を支出する「国民葬」。1980年代以降の総理大臣経験者の葬儀は「合同葬」が主流で、費用は政党などと政府が折半する形となっていました。全額国費での支出となる国葬は、55年ぶりとなります。
8月19日はほかにも、大阪府内の弁護士らが住民監査請求を実施。知事や府議会議長らが国葬に出席するための交通費に税金を使うのは違法だとして、支出の差し止めを求めています。同様の監査請求は、兵庫県や京都府でも行われています。
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