東京大学「コロナ救済措置」打ち切り “留年危機”学生相次ぐ…診断書提出も補講なし【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年8月2日)

東京大学「コロナ救済措置」打ち切り “留年危機”学生相次ぐ…診断書提出も補講なし【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年8月2日)

東京大学「コロナ救済措置」打ち切り “留年危機”学生相次ぐ…診断書提出も補講なし【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年8月2日)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、愛知県や宮城県などが政府が新たに設けた「BA.5対策強化宣言」を、今週中にも出す考えを示しました。また、東京大学では、新型コロナに感染して期末試験を受けられなかった学生の救済措置が打ち切られたために、留年の危機に陥る学生が相次いでいることが分かりました。

■愛知・宮城「BA.5対策強化宣言」発令へ

 愛知県・大村秀章知事:「毎日1万人を超える感染者。尋常なことではない」

 愛知県は、今週中にも高齢者などに外出自粛を求める「BA.5対策強化宣言」を発令する方針を明らかにしました。

 発令を決定した宮城県では、村井嘉浩知事が次のように述べました。

 宮城県・村井嘉浩知事:「病床逼迫(ひっぱく)。極めて厳しい状況」

■感染者の追試制限…東大生「留年するしか…」

 ホテル療養中の教養学部1年生:「現在、コロナの隔離で大学の試験を受けることができない状況ですね」

 新型コロナに感染し、ホテル療養中の男性。東京大学教養学部に通う1年生です。現在、東京大学は春学期の期末試験中ですが、男性のように試験を受けられない学生がいます。

 そんな彼らに突き付けられた現実、それは“留年”です。

 ホテル療養中の教養学部1年生:「留年して、もう1回やり直す。コロナかかったら、もう無理ですね。もう諦めて下さいって感じです」

 これまで東京大学教養学部は、コロナに感染するなどして試験が受けられなかった学生に対し、救済措置として後日、通常の試験と同じ100点満点で評価される追試を実施してきました。

 しかし、今年の春学期からは満点でも75点までしか取れなくなったのです。学生からは困惑の声が上がっています。

 ホテル療養中の教養学部1年生:「医学系とか薬学系とか(の学部に進学するには)大体(試験の点数が)平均90点ぐらい必要。試験の満点が75点になったら、他の学期で挽回(ばんかい)しても無理ですよ」

 東京大学では入学後、全員が2年次まで教養学部に所属します。3年次から希望の学部に進みますが、競争率の高い学部・学科に進めるかどうかは2年次の春学期までの成績順で決まります。

 従って、全員が希望通りに進学できるわけではないのです。

 ホテル療養中の教養学部1年生:「行きたい学部もちゃんとあるわけで。わざわざ追試受けないで、留年するかですね」

 東京大学が追試の評価方法を変更したのは、今年6月。その理由については、次のように説明しています。

 東大教養学部:「コロナ感染等による虚偽申請を防ぎ、公平性を求めるためです。通常試験の受験者より、追試受験者の勉強時間が長くなることで有利になることを防止します」

 当時、東京の一日の感染者は1500人ほどの時期。しかし、試験期間中に感染者は2万人以上になりました。学生は感染しても救済されることなく、不利な状況に追い込まれています。

■診断書提出も補講なし…学生自治会が“抗議”

 さらに、留年の危機は通常の授業にも…。将来、医師を目指す東京大学教養学部2年生の男性は、次のように話します。

 東大教養学部2年生:「コロナに感染していたので、補講をお願いしたが、断られ。その結果、単位が不認定となり、留年ということになりました」

 男性は、今年5月にコロナに感染。自宅療養を余儀なくされました。その結果…。

 東大教養学部2年生:「合計6回のリモート授業のうち、2回の講義を欠席」

 授業の欠席は「当日の11時までに報告」という教員が独自に設けたルールがありましたが、男性は1週間以上、意識がもうろうとし、食事も取れない状況だったため、報告が遅れてしまいました。

 東大教養学部2年生:「重篤な症状で呼吸困難、中等症以上の症状。正直、授業というよりは、自分の命とか健康とかを優先して動いていた」

 男性の症状が和らぎ始めたのは、感染から8日後。「コロナに感染し欠席はやむを得なかった」旨を教員に報告。補講措置を申し入れましたが…。

 東大教養学部2年生:「日数の経過から補講は認めないという返信が教員からあり。自分が1週間以上、苦しんだことを診断書で提出したところ、診断書の受理を拒否。補講もされず、結果、留年となりました」

 東京大学教養学部の学生自治会は、コロナに感染した学生らの措置について大学に抗議しています。

 東大教養学部 学生自治会・長谷川恭平会長:「教養学部も真摯に対応すべき状況にはきている。コロナに感染者に対する配慮。それに伴う社会に及ぼす影響とか、どう思っているのか聞きたい」

 1日、東京大学教養学部に問い合わせたところ、現段階でコロナに感染した学生らの措置について、再検討はしていないと回答がありました。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年8月2日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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