BA.5“子ども感染”合併症も…1週間後「爆発的な感染状況」か 今月末「5万人超」試算(2022年7月15日)
来週には、経験したことのない状況になると、危機感を示しました。感染の拡大が続く東京都は14日、感染状況の警戒レベルを最も深刻なレベルに引き上げました。
■驚きの試算…今月末「5万3000人超感染」
国立国際医療研究センター 国際感染症センター長・大曲貴夫氏：「今回の増加比が継続すると、1週間後には第6波のピークを超え、これまでに経験したことのない爆発的な感染状況になる」
14日の東京都の新規感染者数は1万6662人で、3日連続で1万人を超えました。去年12月から発生した「第6波」と同じような速度で、急増しています。
こうしたなか、都のモニタニング会議では、驚きの試算が出されました。
来月3日に新規感染者が5万人を越えるという、これまでの予測が1週間ほど早まり、今月中に5万人に達するというのです。そのため、東京都は、4段階ある感染状況の警戒レベルを最も高いレベルに引き上げました。
■“全国旅行支援”延期発表「状況にない」
来週に迫る夏休み。政府は、新たな旅行割引“全国旅行支援”の延期を発表しました。
斉藤鉄夫国土交通大臣：「現在の状況は、全国旅行支援を実施する状況にないと判断した」
■“実施”見込み 新作商品増やすも…
平日も、東京・浅草の仲見世通りはにぎわっています。夏休みシーズンに向けて、さらなるにぎわいを期待していたということですが、全国旅行支援の延期が決まったことに、商店街の人は肩を落としています。
浅草本家 梅林堂・渡辺寛務さん：「うちの一番の柱は、地方から奥様たちが東京へ観光に来て、お土産を相当買っていく。そういう人たちがGoToトラベル（全国旅行支援）利用してきているのに。これが無くなると、やっぱり来なくなっちゃう」
着物のレンタル店は、全国旅行支援の実施を見込んで、新作の商品を増やしたばかりでした。
浅草着物レンタル「大吉」・大友雄介さん：「（Q.（全国旅行支援の）延期が決まったが？）今後、届く浴衣なんかも、店頭に出すのは、いつになるのかと…」
■“理解しがたい”メール「傷口に塩」
全国旅行支援の延期が決まった直後に、事務局からは理解しがたいメールが届いたといいます。
浅草着物レンタル「大吉」・大友雄介さん：「メールが来たのが、14日の午後3時8分」
メールには、まるで旅行支援延期がなかったかのような内容で、どうやら国土交通省の決定と運営する事務局の作業に行き違いが生じていたようです。
浅草着物レンタル「大吉」・大友雄介さん：「確かに、お客様がいれば、非常に重要なメールだと思うが。中止（延期）が決まったタイミングで、なにも送ってこなくても。我々、観光業なので、非常に傷口に塩を塗られたような」
■BA.5「小児多系統系炎症性症候群」も
現在、急速な感染拡大の中心にあるのが、「BA.5」というオミクロン株の新しい系統です。感染力は、これまで主流だった「BA.2」の1.4倍。再感染もしやすいといいます。
日本では、オミクロン株は子どもへの感染が多いのも特徴で、BA.5の広がりによって、子どもの感染者がさらに増える懸念があります。
また、子どもの感染に限っては、心配な合併症を引き起こす危険もあります。
長崎大学病院小児科・森内浩幸教授：「小児多系統炎症性症候群は、感染した子どもの1％が亡くなる病気。ですので、結構重たい病気ということになります。平均年齢が8、9歳ぐらい。10代になって起こることもある」
■国内で約20人患者…来週には調査開始へ
症状が目に出たケースの画像では、血管に強い炎症がみられます。他にも、心臓が炎症を起こし、動きが弱くなるようなケースもあるといいます。
国内では、数カ月前の段階で、20人ほどの患者が確認されています。そのため、日本小児科学会などはチームを立ち上げ、来週にも詳しい調査を開始するとしています。
長崎大学病院小児科・森内浩幸教授：「子どもの感染者の数って、前の10倍以上も出ていますので。やはり、その分だけ、怖い合併症を起こす子どもたちは油断していると、見逃してしまう恐れがあるぐらいには、出てきているかもしれません。いずれにしても、正しい診断を確実につけ、正しい治療にすぐに結び付けるということは、とても重要なことだと思う」
（「グッド！モーニング」2022年7月15日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
