“入社1年目から最大1400万円”大手スーパー 「トラック運転手」に希望者殺到 背景に歴史的物価高 アメリカ|TBS NEWS DIG

“入社1年目から最大1400万円”大手スーパー 「トラック運転手」に希望者殺到 背景に歴史的物価高 アメリカ|TBS NEWS DIG

“入社1年目から最大1400万円”大手スーパー 「トラック運転手」に希望者殺到 背景に歴史的物価高 アメリカ|TBS NEWS DIG

シリーズ「現場から、」です。アメリカで0.75%の大幅利上げが決まったというニュースお伝えしましたが、歴史的な物価高を背景にいま"ある職業"に希望者が殺到しています。

「ストップ!ストップだ!」

アメリカ・南部バージニア州。週末の朝にも関わらず、多くの人が詰めかけていたのはトラック免許の教習所です。

「もっと左!」

敷地内で発進や停止を繰り返し練習。大型トラックのため、バックをするのも一苦労です。

教室では、模型を使った授業も行われていました。

さらに・・・。

記者
「実際の路上に出て、生徒が運転の練習を行っています」

指導員
「後ろや目の前に出てくる人も居ます。目を離さないように」
生徒
「はい」

指導員が助手席に座り、運転する生徒を指導します。

安全に関わるだけに、時には厳しいやり取りも・・・

指導員
「シフトレバーを押さないと。もっとこっちに」
生徒
「はい」
指導員
「シフトレバーの位置はここなんだから!」
生徒
「なるほど」

20回の講習で費用は67万円ですが、申し込みは後を絶たないと言います。

教習所の責任者
「以前はひと月に20~25人生徒が来ていたが いまは約40人、確実に増えている。トラック運転手の需要は常にある」

なぜ今、トラック免許の希望者が殺到しているのか?

背景にあるのは、アメリカの歴史的な物価高です。

先月の消費者物価の伸び率は8.6%に達し、40年ぶりのインフレが続いています。原因の1つが物流の停滞で、輸送を担うトラック運転手が大幅に不足しているのです。

全米で8万人足りない、というトラックドライバー。人材を確保しようと小売り大手のウォルマートはトラック運転手に対し、入社1年目から最大1400万円以上支払うと発表。大手運送会社も運転手の賃金を3割引き上げ、初年度から最大2000万円稼ぐことが可能だ、としています。

教習所の生徒
「冷蔵庫や食洗機の設置の仕事をしている。転職して家族や息子のためにお金を稼ぎたい」

教習所の生徒
「建設の仕事などをしている。成功したいからトラック業界に来た」

高い給料を求め、トラック運転手への転職を目指す人が急増しているのです。

ただ一方で、こうした賃金の上昇が、さらに物価を押し上げる要因にもなっています。

米FRB パウエル議長
「労働市場は逼迫している。失業率は50年ぶりの低水準で、求人倍率や賃金の上昇率は高い。インフレを戻すには時間がかかるだろう。だが、我々は実行する」

物価の高騰を抑制するため、FRBは15日、27年ぶりに0.75%の大幅利上げを決めました。

金融引き締めを一段と加速させる考えですが、記録的なインフレをどこまで抑え込めるのか・・・。

今後も、物価の動向に振り回される状況が続きます。

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