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「骨太の方針」岸田氏の影薄く? “修正”背景に安倍氏、麻生氏の存在(2022年6月7日)
政府はまもなく、岸田政権肝煎り(きもいり)の「骨太の方針」を閣議決定します。防衛費の増額などを巡り、自民党から修正を迫られながら、ようやくまとまったのですが、そこで見えてくるのが安倍氏と麻生氏、2人の存在です。
岸田文雄総理大臣:「本年の骨太方針では、機動的なマクロ経済運営によって、経済回復を実現しながら新しい資本主義の実現に向けた計画的で重点的な投資や規制制度改革を行い成長と分配の好循環を実現する岸田内閣の経済財政政策の全体像を示しています」
岸田政権では初の「骨太の方針」。いわゆる国民皆歯科健診の具体的な検討や、安全保障環境では、一層激しさを増しているとして、初めて「台湾」の文言が盛り込まれました。
骨太の方針を巡っては、政府と自民党との間で調整が難航。
1日、3日、6日の3回に渡って議論されて修正が繰り返されました。ようやく6日の会議で大筋了承され、7日の正式了承を経て、閣議決定に至ることになったのです。
当初、政府が示した原案では、防衛費の増額の規模や期限が示されていませんでしたが・・・。
安倍晋三元総理大臣:「やっぱり私は骨太に書くべきではないのかなと。しっかりした目安と期限を明示して国家意思を示しているんだろうと思う」
安倍元総理など党内から、より踏み込んだ表現にすべきだといった意見が上がっていました。
こうしたことを受け、修正案では元々、脚注部分に小さい字で書かれていた、NATO(北大西洋条約機構)諸国が国防予算を対GDP(国内総生産)比2%以上にすべく動いていることが本文に挿入されたほか、防衛力を「5年以内に」抜本的に強化すると明記されました。
政治部・大石真依子記者:「安倍元総理は自身の考えを反映させようと、安全保障政策についてあらゆる場面で発信を繰り返しました。党内最大派閥を率い、大きな影響力を持つだけに、岸田総理も安定した政権運営のため、配慮せざるを得ない状況」
また経済財政運営についても、安倍元総理らへの配慮があったといいます。
政治部・大石真依子記者:「自民党内には、安倍元総理ら積極財政派と、麻生副総裁ら財政再建派。参議院選挙を控えるなかで、対立が表面化しないよう調整した結果が、今回の骨太の表現と言える」
骨太の取りまとめに向けて、安倍、麻生のトップ自らが調整に乗り出し、お互い納得のいく形に仕上げた格好だというのです。
岸田総理、両者からの提言を受け止めて、安倍元総理はじめ積極財政派への配慮から去年の骨太の方針にあった、2025年度の黒字化目標を堅持する、という表現を削除しました。
そして、麻生副総裁ら財政再建派に配慮して、「財政健全化の『旗』を下ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組む」と明記。
安倍、麻生、両者のバランスをとった形になっています。
政治部・大石真依子記者:「発信を強める安倍元総理には、党内から“やりすぎだ”とあきれ声、“今から参院選後の主導権争いが始まっているということだ”と解説する人もいる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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